インターネットによって様々なモノが目まぐるしいスピードで進化する現代。
処理スピードも高速化になり、データもパソコン内部からクラウドに管理される様に
進化のスピードは止まることなく動いています。
そんなwebの環境にさらなるインパクトを起こそうとしているのが、
Golem(ゴーレム)のプロジェクトです。
Golemが何をしようとしているのか、その特徴と壮大なプロジェクトについてご紹介します。
▼Golem(ゴーレム/GNT)の特徴

・プロジェクト概要
Golemとはイーサリアムのブロックチェーン上で動くスマートコントラクトを利用して作られた、
P2P通信による分散型コンピューティングシステム及び、そのプラットフォーム上で利用できる決済システムです。
世界中の参加者が自分のPC機能の一部(アプリケーションやソフト等)を、少しずつシェアしていき
個人のPCでは不可能だった高度な計算を可能にするサービスを目指し
分散型のスーパーコンピューターを実現させるといったプロジェクトです。
最近増えてきているシェアリングエコノミーの考え方に近いですね。
パソコン一台のスペックでは限界もありますし、スペックも価格次第では能力の差が出てきます。
しかし、Golemが目指すプロジェクトは、
世界中でたくさんのパソコンがつながれば、処理能力をその分高くすることができるので、
事実上のスーパーコンピューターを作り上げることができるといった構想です。
・特徴

GolemはP2P(ピアツーピア)ネットワークでコンピュータ同士を接続し、
アプリケーションの所有者と個々のユーザーが、他のユーザーのコンピューターリソースをレンタルできるようになります。
またGolemのネットワークは、イーサリアムのプラットフォーム上に構築されており
自分が使いたいサービスを利用するときに、報酬としてGNTトークンを使用して支払いを行います。
そのために、送金手数料が安くて少額決済に用いやすいという特性があるイーサリアムが使われています。
この特性によって、小規模な計算からでも柔軟にコンピュータリソースを提供することができます。
利用者同士が直接やり時ができることを指します。
・報酬を得る仕組み
GolemではマイニングでGNTを得ることはできない仕組みとなっています。
そのために報酬を得るためにはプロバイダーと呼ばれるコンピュータリソースを提供するユーザーになり、
リソースを提供した見返りにGNTを通じて報酬を受け取ります。
また利用したい時は、リクエスターとなりはプロバイダーから提供されたリソースを購入することで、
分散型スーパーコンピューターを利用できます。
これにより、リクエスターは自分のコンピュータを使いながら、複雑な処理や計算を、
スーパーコンピューターと同レベルの計算能力で実行することができます。
このシステムにより需要と供給のバランスが保たれ、よりコンピューターの進化を遂げることが予測されています。
▼開発状況

Golemのプロジェクトは壮大なビジョンの元にスタートしています。
実現すれば現在のクラウド型のシステムを根本から見直すことが可能で、
アマゾンやGoogleのような巨大企業が提供しているサービスを
低価格でなおかつ手軽に利用できるようになることが期待されています。
そうすることによって世界中で、よりフラットな環境を作り上げることが可能となります。
・ロードマップ
Golemのロードマップは4段階に分かれております。
Brass Golem | 実証段階で、限定された計算しかこなすことができません。 |
Clay Golem | Golemが多目的な汎用分散計算ソリューションになる予定です。 |
Stone Golem | より多くのセキュリティと安定性を追加し、Clay Golemで実装された機能を強化します。 |
Iron Golem | インターネットを介して使用するアプリケーションを作成でき、開発者が自由に使えるようになります。 |
Iron Golemまでには開発に4年はかかるとされおり、
現段階(2018年12月現在)では一段階目のレベルなので、この先の開発が楽しみですが、
非常に複雑なシステムと、実験的なネットワーク構築が必要不可欠になりますので、
一般に普及できるほどの安定したレベルまでには、乗り越えなければならない壁が存在するのは事実です。
・参加条件
Windows 10、OS X Sierra以上、およびUbuntu 16.04 LTSにて利用が可能で
最小要件として
- 2 GBのRAM
- 2コア
- 20 GB HDD
以上のスペックが必要となります。
条件を見ると割と簡単に参加ができますが、
ベースのCPUは高性能な方が望ましいとされています。
▼将来性
今までの記事の通り、実現できると現在のパソコンのシステムを根本から変更してくれる程の
インパクトをもつプロジェクトで期待できます。
では実現するとどの様なメリット・デメリットがあるかを考えてみたいと思います。
・メリット
スーパーコンピューターと呼ばれるハイスペックのシルテムを導入するためには、
莫大なコストがかかるので、
それを低価格に抑えることができるコスト面のメリットは大きいです。
それ以外にも不正なプログラムにGolemを使おうとしても、
ブロックチェーン上では不正プログラムが第三者に見つかってしまうので、
不正プログラムを利用できません。
そのため、不正アクセスはGolemネットワークにアクセスできない環境で行う必要が出るために、そもそもGolemを使用できないことから、トラブルの抑止にもなります。
・デメリット
ブロックチェーン上にデータがあるので、誰でもデータを見えるようになっており、
プライベートなデータを利用するには向いていません。
また、プロジェクトの難解さゆえに実現できるのか?といった疑問の声もあがっていますし、
実際に実現したとしても、使用する際の価格のレートがどのくらいになるのかは定かではありません。
▼取扱取引所
日本国内では取り扱いがなく、
BINANCEなどの海外取引所にて取り扱っております。