Tezosは、2014年にスタートしているプロジェクトで、分散型アプリケーション(dApps)のプラットフォームです。
2017年7月にICOを行った際には、約232億円を調達した実績もある、注目度の高い仮想通貨となっています。
Tezosのプラットフォームとしての目的は、ビットコインやイーサリアムの「スケーラビリティ問題」や、「ハードフォーク問題」といった弱点を補うために開発されました。
今回は、そんなTezosを開発するに至った背景や、特徴、将来性などについてご説明していきたいと思います。
こちらは公式が公開している動画です。まずはご覧になってください。
もくじ
▼Tezos(テゾス/XTZ)の特徴

■基礎情報
通貨名:Tezos
通貨単位:XTZ
総発行枚数:763,306,930XTZ
トークン規格:-
公式サイト:https://tezos.com/
ホワイトペーパー:https://www.tezos.com/static/papers/white_paper.pdf
reddit:https://www.reddit.com/r/tezos/
Facebook:https://www.facebook.com/tezosfoundation/
Twitter:https://twitter.com/tezos
Medium:https://medium.com/tezos
■背景



Tezosの開発には、ビットコインやイーサリアムの弱点を解消しようとする背景があります。
ビットコインを例に弱点をみてみましょう。
ビットコインで特に注目されている問題は、「スケーラビリティ問題」と「ハードフォークによる分裂問題」があります。
ビットコインのスケーラビリティ問題とは、ビットコインのブロックサイズの上限が小さかったため、取引数が多くなるにつれて送金詰まり(送金遅延)が発生してしまうといった問題です。
いくらビットコインが有能だとしても、送金遅延が発生してしまっては使い物になりません。
そのため、その問題を解決しようとすると、システムの大幅アップデートである「ハードフォーク」を行わなければならない事態に陥ってしまったのです。
しかし、ハードフォークを行うという事は通貨が分裂するという事であり、その通貨の価値も分裂する可能性があります。
すると通貨の価値が暴落したり、片方の通貨が消滅してしまったりする可能性もあるのです。
これでは安定した通貨とは言えませんよね。
そういった問題を解消するためにTezosは開発されました。
■4つの特徴



1.ガバナンス部分が分散化されている
Tezosの最大の強みといえば、ブロックチェーンのガバナンス部分が分散されているという事です。
ガバナンスとは「統治」という意味です。
簡単に説明すると、「システムをどう開発し、どう修正していくかをユーザーが投票で決める事ができる」という事です。
今までは、このガバナンス部分を分散化させていくことは難しいとされており、基本的にガバナンス部分を管理している開発者による集中的な管理をすることが基本となっていました。
しかし、Tezosでは「Tutarchy」と呼ばれるユーザー投票システムを採用しており、ユーザーの投票によってさまざまな決定を行っていくことができるようになっています。
2.スマートコントラクトの実証検証
Tezosでは、イーサリアムでも採用されているスマートコントラクトが実装されています。
スマートコントラクトとは、簡単に説明すると「人の手を介さず契約を自動・正確に実行する仕組み」の事をいいます。
Tezosでは、そのスマートコントラクトの確実性を更に高める「Formal Verification」と呼ばれる技術を使い、スマートコントラクトで記録された内容を実証する機能があります。
これは、「プルーフ・チェッカー(証明検査)」と呼ばれ、スマートコントラクトが正しく実行されているか、正しい契約が正しく記録されているかという点を数学的な視点から技術者が検証を行う仕組みです。
これにより、エラーやミスが許されない契約などにおいて、より証明性が高い契約を行う事が可能になります。
3.コンセンサスアルゴリズムにLPoSを採用
Tezosでは、コンセンサスアルゴリズムにLPoS(Liquid Proof-of-Stake)が採用されています。
Tezosは、トークン所有者がその所有権を譲渡することなく他のトークン所有者に「委任」することを許可することができるという仕組みを持っています。
このような説明をすると、EOSやLiskで採用されているDPoS(Delegated Proof-of-Stake)と同じと思ってしまうかもしれませんが、Tezosは異なります。
DPoSはビットコインで採用されているPoWのように大きな計算は必要とせず、通貨の所有枚数と所有期間によって生成者が決められるものとなっています。
さらに、Delegated(委任)と言葉がついている通り、実際に取引の承認を行う人を投票により委任することができ、委任された人が代わりに取引承認を行う事ができます。
そしてこの委任者はEOSでは21、Liskでは101と言った具合に、仮想通貨毎に異なります。
この委任者が制限されている事により、DPoSはPoWよりも桁違いに高い処理を行う事ができるのです。
しかしDPoSの場合、処理効率は大幅に向上しますが、これでは分散化が犠牲となってしまいます。
また、委任者になるためには様々な条件をクリアする必要があるために非常に大変で、現在の委任者は大規模な組織であったり、大きな企業のみとなってしまい、この状態では後発組の参入障壁が高くなってしまいます。
そこでTezosで採用されたのがLPoSです。
TezosではLiquid(流動的)とあるように、80,000まで委任者を許可する事が可能となっており、通常のPoSのように、所有枚数と所有期間によって生成者が決められるため、DPoSと比べ参入障壁が低くなります。
この仕組みによって集中化を避け、分散化していこうとしているのです。
結論、TezosはPoSとDPoSといった、2つのタイプの中間に存在するような解決策なのです。
4.ハードフォークをせずに大幅アップデートが可能
先もご説明しましたが、ビットコインのスケーラビリティ問題は深刻で、その問題を解決するためには、ハードフォークを行う必要がありました。
しかし、ハードフォークを行うということは、通貨の分裂・価値の減少・消滅といった、多くの危険性があります。
このような事態を避けるためにTezosでは、プロトコルを3つに分割し、システムの修正にハードフォークを必要としないブロックチェーンを構築しました。
この3つのプロトコルは
・トランザクション
・コンセンサス
と分かれており、それぞれを独立させることで、アップデート時にブロックチェーンが分岐しないような互換性を持たせることに成功したのです。
その為、Tezosのシステムを応用した場合、ハードフォークの必要性は皆無となります。
▼Tezos(テゾス/XTZ)の将来性



TezosはICO時に約232億円を集めたという実績のあるプロジェクトなので、その期待値は当初の段階から非常に高い物がありました。
またTezosは、ビットコインやイーサリアムの問題点を解消するために開発された通貨です。
その点を考慮すると、ビットコインやイーサリアムといった通貨に問題が起きた際にそのメリットや優位性が判断されて注目度を集めるかもしれませんね。
しかし、Tezosは集団訴訟問題が発生したという過去もあります。
これはTezos内部で争いが発生した事によりトークンの配布が行われず、ICOに出資した投資家たちがTezosに対して集団控訴に踏み切ったというものです。
この訴訟については、2018年8月に支払い請求が裁判所によって正式に却下されて、事態は収束しています。
プロジェクトは大幅に遅れてしまいましたが、現在は正常に開発が進められています。
一度は今後のICOに大きな影響を与える可能性まで起きていたTezosですが、その開発内容は真っ当な物であり、将来性は高いと思われます。
公式Twitterでもほぼ毎日状況がアップされているので、気になる方は随時チェックしていきましょう。
#Tezos Blockchain Camp in Seoul just kicked off today. #테조스 블록체인 캠프가 오늘 시작되었습니다. pic.twitter.com/ZFvzATK0fB
— Tezos Korea (@Tezos_Korea) 2019年1月7日
韓国やバンコクで勉強会やミートアップを開催するなど、活発に活動している様子がみられますね。
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📢 We will be @ 42nd floor, Unit 4206, Tower 3, Empire Tower, Sathorn, Yannawa, Bangkok 10120 on 20 Dec 2018 📅 from 1830 hours 🕡 #TezosSoutheastAsia #TezosSoutheastAsiaMeetup #BangkokMeetup #Tezos pic.twitter.com/NTVrAHPYbm— Tezos Southeast Asia (@AsiaTezos) 2018年12月11日