世界経済的に見ても独自の路線を進む中国。
その経済的規模は大きく、目まぐるしい発展を遂げています。
そんな中で生まれた、中国版イーサリアムとも呼ばれている仮想通貨NEO(ネオ)。
中国発のパブリックチェーンで、スマートコントラクトを実装しdAppsやトークン発行が作れる
プラットフォーム型通貨として人気を集めています。
今回はこのNEOについて見ていきたいと思います。
もくじ
▼NEO(ネオ)の基本情報

通貨名 | Neo |
通貨単位 | Neo |
公開日 | 2016年10月26日 |
総発行枚数 | 1億NEO |
公式サイト | https://neo.org/ |
ホワイトペーパー | https://docs.neo.org/en-us/whitepaper.html |
https://www.facebook.com/NEOSmartEcon/ | |
https://twitter.com/neo_blockchain | |
Medium | https://medium.com/@NEO_Council |
▼NEO(ネオ/Neo)の特徴
NEOは中国で開発されたプラットフォーム型の仮想通貨で、
もともとはAntshares(アントシェアーズ)と言う名前でしたが、2016年6月にNEOに名前が変更されました。
イーサリアムと同じくスマートコントラクトを実装しており、中国版イーサリアムと呼ばれることが多いかと思います。
またプラットフォーム型のプロジェクトでもあることからイーサリアムとの共通点があります。
イーサリアムとの4つの違い

1,開発言語の多様性
イーサリアムではプログラミング言語に「Solidity」と呼ばれるプログラミング言語を使用されますが、
NEOにおいては「JavaScript、Python、NET、C、C#、C++」など
現在一般的に利用されているプログラミング言語で開発することが可能のため、
技術者不足と言われる仮想通貨業界で、NEOではエンジニアが改めて言語を習得する必要がありません。
よって、柔軟性がありエンジニアが参加しやすい開発状況にあるといえます。
2,NEO の発行枚数には上限がある
イーサリアムには発行上限は決められていませんが、NEOには発行枚数が決められています。
また半数はNEO運営陣が保有しているため一般市場に流通しません。
これはNEOの承認アルゴリズム「DBFT」による健全な運営を守るための防衛措置とされており、
運営陣が過半数を所有することで、市場操作や第三者にNEOをコントロールされてしまうのを防ぐことができます。
3,処理速度が速い
イーサリアムでは新しいブロックが生成されるのに、約15秒ほど時間を要します。
これに対してNEOは1秒間に1,000件もの取引ができるようになりました。
また、ここから開発が進むと理論上は今の処理速度の10倍程度まで能力を向上できるとされています。
4,コンセンサスプログラムの違い
ブロックチェーン上での認証技術であるコンセンサスプログラムが、イーサリアムとも違います。
今のところ(2019/01/23現在)、イーサリアムはPoW(プルーフオブワーク)というコンセンサスアルゴリズムを採用していますが
NEOはDBFTという独自のコンセンサスアルゴリズムを採用しています。
NEOで使われるDBFT技術とは?

たびたび説明に出てきていたDBFTとは、
「Delegated Byzantine Fault Tolerant(ビザンティン耐障害性コンセンサスメカニズム)」の略で、
ブロックチェーンで認証を行う際に生じる「ビザンティン問題(システム障害)」に対して耐性を持っている仕組みです。
この問題は、悪意のあるユーザーが意図的に障害を発生させることによって優位性を保ち、情報を操作することができるというもの。
とくにdAsspなどによって複数のアプリケーションやプログラムが関わるものでは、その隙を狙いやすくなるというリスクがありました。
NEOでは、NEO保有者の投票によって優良なユーザーを選出して、「ブックキーパー」という帳簿係に任命し、
信頼性があるユーザーがシステムの運用を見守る役割を担い、システムの健全性を保つようにしています。
そしてブックキーパーに選ばれた人は、報酬としてNEO GAS(ネオ ガス)トークンを受け取ることができます。
これにより、意図的にビザンティン問題を引き起こすユーザーを排除できるので、安定したコンセンサスプログラムが運用されます。
一見、中央集権のように見えますが、ブックキーパー自身もブロックチェーン上で監視されているので、透明性が高い監視方法ともいえます。
NEOではマイニングの報酬として、NEO GAS(ネオ ガス)というトークンが配布されます。
NEOとNEO GASは共に、NEOのネットワークを維持するために使用されている仮想通貨ですが、
使用用途が異なり、NEO GASは手数料の支払いなどに当てられています。
▼NEO(ネオ/Neo)の将来性
NEOが目指す未来とは?

NEOは「デジタル資産」「デジタルアイデンティティ」「スマートコントラクト」を分散型ネットワークdAppsによって管理したスマートエコノミーを目指しています。

これにより、より安全かつ管理負担を減らし、スムーズに資産を使いこなすことができます。
企業からの支持とdApps
NEOプラットフォームでは、中国の「アリババ(Alibaba)」と提携するなど、巨大な中国国内に対するサポート体制が整っています。
中国圏の企業がアプリケーション開発やICOなどのプロジェクトを実施しやすい環境が構築されているので
それを活用するユーザーが増えていけば、NEOも世界的なインフラプラットフォームになる可能性が十分に考えられます。
(ただし現在、中国国内においてICOが禁止されているので、実際は中国国外にての活動に限られています。)
またNEOの分散型ネットワークdAppsもアプリがどんどん開発されており、
2019年1月23日時点では75個にもなっています。

また、いろいろなイベントに参加したり、スポンサーとなることでNEOの普及活動にも積極的で、
次世代のエンジニアのためのワークショップなども開催しています。
NEO believes that the #NEODevCon2019 is a great way for young people interested in blockchain to learn about the technology and gain insights to current trends in the industry. Student Price is available at $49.#ContiNEO #blockchain Buy your tickets now! https://t.co/UV3hKsnIdD pic.twitter.com/rbq4dICiE1
— NEO Smart Economy (@NEO_Blockchain) January 22, 2019
この様に,NEOは長期的にプロジェクトが遂行し、かつ利用される様に様々なコミュニティを創出しながら独自の思想を掲げて開発されているため、
新しい技術やイベントなどでの発表にも大きく注目されています。