もくじ
気になる仮想通貨の確定申告の方法と節税方法
仮想通貨投資を行なって利益を得た人がいらっしゃると思います。
昨今は「億り人」と呼ばれ、資産を大きく膨らませた人もいらっしゃいますね。
今回は、仮想通貨で利益を得た場合の税金についてみていきたいと思います。
2017年に大きく価格を伸ばして、多数の億り人を生み出したときには、具体的な法の規制がなく、どうしたら良いのかわからない人も続出しましたが、2018年の11月に国税庁が具体的なFAQを発表しています。
これによって、明確に申告が必要な場合のシチュエーションが決定し、国税庁のWebサイトから確認することができるようになっているんです。
そもそも仮想通貨って納税が必要なの?

仮想通貨でいろいろな情報を集め、日々努力をして利益を得た場合、せっかく増やしたお金で自分の好きなモノを買ったり、旅行にいったりしたいですよね?
しかし、仮想通貨投資によって得た利益を自分の好きなように使ってしまってはいけません。
なぜなら、日本国憲法30条で
「国民は,法律の定めるところにより,納税の義務を負ふ」
とされています。
日本における国民の三大義務は「教育を受ける義務、勤労の義務、納税の義務」とされておりますので、
仮想通貨投資によって利益を得た場合は、しっかり申告して適切に税金を支払う義務が生じます。
どんな時に税金がかかるの?



ではどのような場合に仮想通貨に税が課せられるかを先に見ていきたいと思います。
課税対象になる行為
- 仮想通貨を売却した場合
- 仮想通貨で商品を購入した場合
- 仮想通貨同士の交換を行った場合
- 仮想通貨の取得価額
- 仮想通貨をマイニングした場合
以上の5つの行為を行なった場合に課税対象になります。例外として仮想通貨の分裂・分岐(ハードフォーク)により仮想通貨を取得した場合は、税が課せられません。
理由としては次のように定義されております。
所得税法上、経済的価値のあるものを取得した場合には、その取得時点における時価を基に して所得金額を計算します。 しかしながら、ご質問の仮想通貨の分裂(分岐)に伴い取得した新たな仮想通貨については、 分裂(分岐)時点において取引相場が存しておらず、同時点においては価値を有していなかっ たと考えられます。 したがって、その取得時点では所得が生じず、その新たな仮想通貨を売却又は使用した時点 において所得が生ずることとなります。 なお、その新たな仮想通貨の取得価額は0円となります。
ハードフォークして付与されただけでは課税対象にはならないが、取引などを行うと課税対応とみなされます。
仮想通貨の所得区分
所得とは収入金額から、その収入を得るためにかかった必要経費や所定の控除額を差し引いた後の金額で、所得税は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に得た所得の金額にかかる税金です。
この所得には10種類に区分することができます。
利子所得 | 公社債や預貯金の利子、貸付信託や公社債投信の収益の分配などから生じる所得。 |
配当所得 | 株式の配当、証券投資信託の収益の分配、出資の剰余金の分配などから生じる所得。 |
不動産所得 | 不動産、土地の上に存する権利、船舶、航空機の貸付けなどから生じる所得。 |
事業所得 | 商業・工業・農業・漁業・自由業など、事業から生じる所得。 |
給与所得 | 給料・賞与などの所得。 |
退職所得 | 退職によって受ける所得。 |
山林所得 | 5年を超えて所有していた山林を伐採して売ったり、又は立木のまま売った所得。 |
譲渡所得 | 事業用の固定資産や家庭用の資産などを売った所得。 |
一時所得 | クイズの賞金や満期保険金などの所得 |
雑所得 | 年金や恩給などの公的年金等、非営業用貸金の利子、原稿料や印税、講演料などのように、他の9種類の所得のどれにも属さない所得 |
この中で仮想通貨を得た場合や、投資として売買益が出た場合には「雑所得」に区分されますが、仮想通貨取引を事業としておこなっており、生計を立てていることが明らかな場合は、事業所得に区分されます。
必要経費を使って節税対策
仮想通貨で利益を発生させるとなると、様々な経費がかかります。
例えば、取引所においての手数料や、取引に使用されるスマートフォンやパソコン、また取引を行う場合のインターネットの回線も経費として認められるので、特に短期売買によって利益を得た方には取引所の手数料をしっかり確認しておく必要があります。
そうすることによって、総収入金額から必要経費を控除することにより適切な額を算出してくれます。
損失になった場合はどうなるの?
仮想通貨での投資やマイニングなど様々な方法で利益がでれば問題はないのですが、時として損失になる場合があります。
よく「所得税法上、マイナスが出た分は他の所得区分から損失をカバーできるよ」といった話を聞いたことがありませんか?
たしかに一部の所得では損失は他の所得から差し引きことが可能ですが、その一部の所得とは不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の 金額の計算上生じた損失に限られますので、雑所得に区分される仮想通貨の場合は、他の所得と通算できないので注意が必要となります。
確定申告の必要情報



では実際にどのように取引した履歴を元に申告するのか?とみていきたいと思います。
まず、一年分の取引の履歴を確認する必要がありますが、大体の方は履歴を控えていないのではないでしょうか?
この点に関しては、
平成 30 年1月1日以後の仮想通貨取引については、国税庁から仮想通貨交換業者に対し
て、次の事項などを記載した「年間取引報告書」の交付をお願いしています。
とされておりますので、取引所に連絡をすれば再取得が可能となりますので、その履歴を元に国税庁のwebから自動計算のエクセルシートがダウンロード可能ですので、それに入力して確定申告に行けば大丈夫です。
確定申告の提出方法
仮想通貨の取引報告書が完成すればいよいよ確定申告の提出作業になります。
サラリーマンの方には確定申告自体馴染みがないと思いますが、こちらも国税庁のwebに詳しいやり方が記載されておりますので、そのフォーマットに沿って記入して提出すれば大丈夫です。
また平成30年分の所得税等の確定申告の相談及び申告書の受付は、平成31年2月18日から3月15日までとなり、この期間各地域の税務署にて確定申告の相談やその場での書類の作成が可能なので、不明点は直接確認ができるので便利です。
(各地域の相談会場の調べ方はこちらを参照してください)
まとめ



確定申告と聞くと、難しそうなイメージがありますが今年から国税庁もガイドラインを統一して発表し、各取引所にての取引履歴を確認することも可能となりましたので、ご紹介した方法と国税庁のwebを参考にしていただければ手間はかかりますが簡単に申告が可能です。
経費として認められるものもありますので、しっかり申告をおこない節税対策も行いたいところです。
また例年、確定申告期間の終わりに近くになると、各会場での申告や相談窓口が大変込み合いますので、余裕をもって申告することをお勧めします。