もくじ
Siacoin(シアコイン/SC)の特徴・将来性|分散型のクラウドストレージとは?
Siacoinは、これまでのクラウドストレージの在り方を変えてしまうかもしれません。
DropboxやAmazonなどのクラウドストレージとは根本的に仕組みが異なり、ユーザー同士でストレージのシェアをするプラットフォームなんです。
そこで今回は、Siacoinが実現するクラウドストレージプラットフォームの特徴を、その機能を交えながら解説していきます。
▼Siacoin(シアコイン/SC)の概要
▼基本情報
通貨名 | Siacoin |
通貨単位 | SC |
公開日 | 2015年6月6日 |
総発行枚数 | 上限なし |
公式サイト | https://www.sia.tech |
ホワイトペーパー | https://sia.tech/sia.pdf |
medium | https://blog.sia.tech |
GitLab | https://gitlab.com/NebulousLabs |
https://twitter.com/siatechhq | |
discord | https://discordapp.com/invite/sia |
https://www.reddit.com/r/KinFoundation |
▼背景
Siacoinは、ユーザーが持つPCのストレージ(HDDなど)の空き容量をシェアすることで、クラウドストレージサービスを実現するプロジェクトです。
従来のクラウドストレージといえば、Dropboxなどのようにひとつの企業がストレージを用意し、それを貸し出すことでPCでは足りないストレージを補う役割を果たしています。
また、クラウドストレージは、サービスを提供する企業が全てを管理する、いわゆる集中管理型というスタイルで運用されています。
そのため、データを保存しているサーバーの不具合や、ハッキング被害が起きた場合には、全てのデータを失ってしまう可能性があります。
しかし、Siacoinは、既存のクラウドストレージの管理方法とは根本的に違い、Siacoinのプラットフォームに参加するユーザーの空きストレージをシェアすることで、分散型ストレージを実現しています。
また、ユーザーの空きストレージをシェアする際には、Siacoinを利用した支払いや、イーサリアムのスマートコントラクトを利用して”契約の合意“も担保します。
▼Siacoin(シアコイン/SC)の5つ特徴

1.Siacoinのプラットフォームに参加してストレージをシェア
Siacoinでは、独自のクラウドストレージプラットフォームに参加するユーザー同士が、利用していないストレージの空き容量をレンタルすることでクラウドストレージを形成していきます。
つまり、プラットフォームに参加するユーザーが多い程、大容量のクラウドストレージが構築されていく仕組みです。
利用できるストレージは、プラットフォームに参加するユーザーそれぞれの空きストレージであるため、データの保存場所はひとつのサーバーではなく、“分散化”されたストレージに保存されます。
この仕組みには、2つのメリットがあります。
- データの保存場所が集中しないため、リスクが分散できる
- 大容量ストレージが不要なため、コストがかからない
特に、ストレージサーバー機器やその設置場所などのコストが削減できるため、ユーザーは低コストでクラウドストレージを利用することができるようになるのです。
2.Siacoinでストレージのレンタル料金を支払う
Siacoinのプラットフォームに参加して、ストレージをレンタルする場合には、もちろん料金がかかりますが、その支払いはSiacoinのトークンである「SC」を利用します。
「SC」はストレージをレンタルする際の支払い通貨となりますが、ストレージを貸し出すことでマイニングすることも可能です。
また、仮想通貨取引所を利用すれば、その他の仮想通貨と取引もできるので、自身のPCで利用していないストレージ領域を貸し出すことで「SC」をマイニングし、仮想通貨取引所で法定通貨に換金するといった資産運用も行うことができます。
3.ブロックチェーンにはレンタルの“契約の合意”データを保存する
Siacoinで自身の空きストレージを貸し出す際に「SC」が利用されることには、ユーザー同士のストレージの貸し借りに対する合意を、信頼性をもって記録されることにも意味があります。
そもそもSiacoinはイーサリアムをベースにしてプラットフォームが構築されていますので、スマートコントラクトが利用できます。
スマートコントラクトは、あらかじめ定められた規約を自動的に実行し、ブロックチェーンへ記録することができますので、ユーザーがストレージをレンタルしたり、貸し出したりした時の“契約合意”を自動的にブロックチェーンへ記録されていきます。
これによって、Siacoinのプラットフォームは、ストレージのシェアやその料金に対しての信頼性を担保し、分散型のクラウドストレージを提供します。
つまり、Siacoinにおけるブロックチェーンの利用は、ユーザーのデータ自体を保存するのではなく、スマートコントラクトによる契約合意の保存に使われるものです。
4.データはSiacoinプラットフォームに参加しているユーザーのストレージへ保存される
Siacoinのプラットフォーム上でレンタルするストレージは、参加しているユーザーのPCや外部ストレージです。
レンタルしたクラウドストレージにデータを保存するということは、他人のストレージにデータを保存するということなので、ここに若干の不安を持つ人もいるかもしれません。
しかし、次の仕組みによってデータは守られています。
5.データのセキュリティは秘密鍵で担保する
Siacoinのプラットフォーム上に参加しているユーザーのストレージは、ストレージをレンタルした人の秘密鍵がなければアクセスすることはできません。
正確には、秘密鍵がなければ暗号化されたデータを復元することができないのです。
これは、仮想通貨を保有するウォレットの考え方と同じですね。
秘密鍵がなければ、BTCやETHなどを保有するウォレットへのアクセスはできず、秘密鍵をなくしてしまえば、資産を取り出すことさえできなくなります。
Siacoinのプラットフォームでは、参加ユーザーの貸し出すストレージのセキュリティを秘密鍵で担保しているのです。
そのため、ストレージを貸し出しているユーザーが、手元にあるストレージから他人のデータを盗み見ることは不可能となっています。
▼Siacoin(シアコイン/SC)の将来性



Siacoinのプラットフォームは、これまでのクラウドストレージの仕組みとは根本的に違います。
プラットフォームに参加するユーザーの空きストレージを利用し、ストレージの貸し借りに対してはブロックチェーン技術や暗号化(公開鍵・秘密鍵)によって信頼性を担保するという仕組みです。
これによって、従来のような一元的なストレージ管理を行うクラウドストレージサービスよりも、リスク分散やコスト削減につながり、データ保持の信頼性や利用コストの大幅な削減を実現したサービスを実現しています。
今後、私たちが扱うデータの容量はますます増加していくため、集中管理によるクラウドサービスには、物理的にもコスト的にも限界を迎える可能性が高くなります。
その課題の解決のためには、Siacoinのようなクラウドストレージサービスが重要となってくることは十分考えられます。