IBMが国際間で輸送されるオレンジを使ったブロックチェーンの実験に成功

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IBMが国際間で輸送されるオレンジを使ったブロックチェーンの実験に成功

コンピュータ会社の大手であるIBMは、中国からシンガポールへ出荷するマンダリンオレンジ(柑橘類の一種)をブロックチェーンによって追跡する実験を無事に完了しました。

IBMのブロックチェーン実験

この実験は、2月5日から始まる中国の旧正月のお祝いに先立ってシンガポールから届けられる28トン分のマンダリンを使って行われました。

このような貿易が行われる際に必要となる船積書類のなかに船荷証券(BL)というものがあります。

BLとは、船会社が輸出者から受け取った貨物と引き換えに発行する有価証券のことで、

これによって商品の所有権や商品の受け取り、出荷の詳細、契約上の義務といった取引の正当性が証明されているため、船積書類のなかでも、もっとも重要な存在です。

通常、この書類は銀行を含む出荷に関わるすべての当事者および貿易金融を提供する者に郵送する必要があるため、現状ではその送信に5日から7日かかっています。

そこで、今回のIBMの実験では、通常の船荷証券に代わって電子船荷証券(e-BL)を作成し、それをブロックチェーンを介して自動化を図った結果、

プロセス全体が「わずか1秒に」短縮されたことでBLの管理にかかる時間とコストが大幅に削減できることがわかりました。

フルーツ輸入業者Hupco社のCEOであるTay Khiam Back氏は次のように述べています。

e-BLを使用することで、大幅なコスト削減を実現しながら、出荷プロセス全体をどのように簡素化し、より透明性を高めることができるかがわかりました。

コストカットと安全性

この実験ではブロックチェーンベースの電子システムを使用することで、運用コストを大幅に削減できることがわかりました。

その削減による効果は全体に大きな変化をもたらします。たとえば、IBMは、待機時間と保管時間が短縮されるため、冷蔵貨物の電気代が削減されると述べています。もちろん、文書処理に関連するコストも事実上存在しなくなります。

さらに、ブロックチェーンを使用することは、ブロックチェーンの記録は追跡可能であり改ざんをすることが不可能なため、情報をより安全に取り扱うことを意味しています。

現在、海運業界は書類全体の40%で詐欺が発生しているため、これは海運業界全般に大きなメリットをもたらすことになります。

IBMとMaersk(マースク)が共同開発

IBMは2018年10月に、デンマークに本拠を置く海運コングロマリットであるMaerskとともに、世界のグローバル・サプライ・チェーンにブロックチェーンを応用するために共同で開発したTradeLensの作成を発表しています。

radeLens
単一の安全な出荷データの供給元でサプライチェーンに沿って企業や当局を強化し、より効率的な世界貿易を可能にするデジタルプラットフォーム。

一方、Forbesは、このプロジェクトへの懸念点が挙げられています。

その大きな問題の一つは、Maersksが知的財産を含むデータをTradeLensのプラットフォームに所有しているという点。

Maersksの競合他社は、情報の管理と所有権の問題に十分な対処がされていなければ、このプラットフォームへ参加することは難しいと述べられています。