バイナンスのCEO、ビットコインETFより起業家とのプロジェクトを重要視
2月6日、大手暗号通貨取引所BinanceのCEOであるCZ氏は、ETF(Exchange Traded Funds)が「業界の成長の核心」であるとは考えていないとし、仮想通貨業界はビットコインETFの発売の有無にかかわらず成長すると語りました。
— Binance (@binance) 2019年2月7日
「私たちの業界が成長するためには、実際のプロジェクトを構築するためにもっと多くの起業家が必要です。」
CZ氏の発言にある背景とは?
ビットコインETFは仮想通貨市場に機関投資家から巨額の資金が流入してくることが予想されていますが、そのためにはまず米証券取引委員会(SEC)からの承認を受ける必要があります。
SECにビットコインETFを申請している中で最有力とされているのは、CBOE(シカゴオプション取引所)がVanEck(ヴァンエック)社とSolidX(ソリッドエックス)社と共同で申請している、ビットコインETF「VanEck SolidX Bitcoin Trust」です。
しかし、このビットコインETFの審議は、アメリカ政府機能の一部停止による影響や、SECが流動性と価格操作という2つを懸念点としてビットコインETFについて否定的な見方をしていることから申請プロセスが進展していませんでした。
そのため、CBOEは先日の1/23に一度申請を取り下げ、2日後の1/25に、追加資料とともに再申請しました。CBOE側はSECの懸念点に対して明確に払拭できる材料が揃っているとしているものの、まだ先行きは不透明です。
こうした状況のなか、仮想通貨の個人投資家の多くは、ビットコインETFの承認による価格上昇に期待している向きもありますが、今回のCZ氏のこの発言は、先日のアマゾンに対する発言とともに、仮想通貨業界の発展のためには、金融商品としての価値よりも実際のプロジェクトとして現実に実装されていくことを重要視していると見ることができます。