SEC(米国証券取引委員会)がICOについて新ガイドラインを公開
2月12日、SEC(米国証券取引委員会)がICOについての新しいガイドラインを公表しました。
Our guide to initial coin offerings: https://t.co/N1cfvEjmM6
— SEC_News (@SEC_News) 2019年2月10日
このガイドラインでは、まずはじめにICOについて知っておくべき5つの側面を挙げたうえで、投資家サイドと、業界の専門家サイドがそれぞれ知っておくべきことが簡潔にまとめられています。
簡単にまとめたものは以下の通りです。(詳細については、直接ガイドラインをご覧ください。)
ICOについて知っておくべき5つのこと
- ICOは証券の提供である可能性がある
- 有価証券であるICOはSECへの登録が必要
- ICOで売られるトークンには様々な名前がつけられることがある
- ICOは大きなリスクをもたらす可能性がある
- 投資する前に質問して明確な回答を求めること
投資家が知っておくべきこと
- 製品は国際的に売買することができる
- 投資する前によく調べること
- 他の種類の投資と同様に細心の注意をすること
- 商品の取引方法を理解すること
市場の専門家が知っておくべきこと
- ICOを行うに法律に則っているか注意すること
- 投資家を保護すること
- SECのICOに関するレポートをよく読むこと
- SECに登録が必要であるかどうか確認すること
日本の金融庁におけるICOへの見解
日本では金融庁が「仮想通貨交換業等に関する研究会」において、平成30年4月から計11回にわたって、仮想通貨関連の課題への対応を検討しました。
平成30年12月21日に公表された研究会の報告書の中には、ICOについての見解も示されています。
ICOについては、
- グローバルな資金調達
- 低コストで資金調達が可能
- 流動性を生み出せる
といったように既存の資金調達手段にはない可能性があり、その利点を認めつつも、
- 有効に活用した事例が少ない
- 詐欺的な事案や事業計画が杜撰な事案が多い
- トークンを保有する者の権利内容に曖昧な点が多い
などの問題点を明らかにしています。こうした現状を踏まえたうえで、ICOについては、
「現時点で禁止すべきものと判断するのではなく、適正な自己責任を求めつつ、規制内容を明確化した上で、利用者保護や適正な取引の確保を図っていくことを基本的な方向性とすべきと考えられる」
としており、今後の対応については、
投資性を有するICO(STO)については、
- 仮想通貨による出資を募る行為が規制対象となることを明確化
- ICOトークンの流通性の高さや投資家のリスク等を踏まえて仕組みを整備
- 非上場株式と同様に一般投資家への勧誘を制限
とし、その他のICOについては、
- ICOトークンを取り扱う仮想通貨交換業者に、事業の実現可能性等に関する情報提供を義務付け
などを挙げています。