金融庁が仮想通貨のレバレッジ取引などに規制。投資家保護を強化

金融庁が仮想通貨のレバレッジ取引などに規制。投資家保護を強化

日本経済新聞の3/18の報道で、金融庁が仮想通貨取引に新たな規制を導入することが明らかになりました。

今回の規制の主な内容は、以下の通りです。

  • 証拠金取引(レバレッジ取引)などを金融商品取引法で規定
  • 現物以外の交換業者には別途、新たな金商法上の登録制度の設置
  • 期限内に正式登録できないみなし業者を事実上の強制退場

証拠金取引の規制

これまで明確なルールがなかったFX取引と同様に、金融商品取引法で規制がかかることになりました。

これは、2018年12月の証拠金取引高は8兆4152億円で、現物取引高(7774億円)の約11倍の規模にまで膨らんでおり一部の個人投資家は大きな含み損を抱えているという状況から、金融庁が投資家保護につなげたいという考えによるもので、

投資家保護の観点から、今後は証拠金倍率(レバレッジ)の上限を2~4倍にするとしています。

現物以外の交換業者の別途、金商法上の登録制

一方、これまでの交換業社への登録制度は資金決済法の現物取引に限られたものであったため、今回の規制強化にともなって、新たに現物以外の取引を行う業者は、従来の登録とは別の、金商法上の登録も通過しなければならないようになりました。
また、新たな登録制のなかでは、レバレッジ取引を行う業者を1種、ICOを行う業者を2種といった具合に細分化し管理していくことにも触れています。

みなし業者の強制退場の可能性

さらに、今回の改正案では登録審査について、改正法の施行予定日である20年4月から1年半までに、正式に登録を済ませられない「みなし業者」には、サービスが提供できなくなる期限を設けることが決まりました。

これは、すでに現物取引の登録制の導入から2年近くが経過しているものの、これに通過しないまま営業を続けている業者がいくつか存在していることを金融庁が問題視しているためで、業者に対して期限を設けることで通過できるだけの対応を促すことが狙いとしています。

今回の規制によって、交換業者の自主規制を促すとともに、これまで先行してきたみなしを含む交換業者のみならず、法律による管理のもとで新たな業者が参入しやすくなることが考えられ、投資家保護が強化されていくことが考えられます。

金融庁によるコインチェックの仮想通貨交換業者の認可発表を受けて