IEOに賛否の声|仮想通貨業界で注目の資金調達方法について
現在、取引所が仲介に入って新たなプロジェクトの資金調達を行うIEOという手法に、多くのユーザーや投資家が注目しています。
この人気の発端は、世界最大級の仮想通貨取引所BinanceのBinance Launchpad(バイナンスローンチパッド)というIEOを行うためプラットフォーム上で、約4.4億円分のトークンが17分で完売したり、約23億円のトークンが14分で完売したりと、相場が冷え込んでいた中で大規模な資金調達に成功したことがきっかけでした。
そうしたことから、投資家だけでなく世界中の仮想通貨取引所もこれに注目し、さまざまな取引所で立て続けにIEOが実施され始めています。
プルームバーグ社の統計によると、これまでに23つのIEOが行われて約1億8000ドル(約201億円)の資金調達が行われました。そしてそのほとんどが2019年2月以降に行われている状況です。
引用:CoinSchedule.com
これに比べ、2017年に主流だったICOの市場は下落を辿っており、2019年第一四半期(1-3月期)は、全四半期と比較して調達額、プロジェクト数共に減少している事がわかっています。
こう見ると、今後はIEOが主流になっていくように思えるのですが、これに対しては批判的な意見も出ているので、賛否が分かれている状況となっています。
一部の専門家は
「プロジェクトの採用基準が取引所毎に異なっていて、本当に詐欺プロジェクトから投資家が守れているかが不透明。」
というように語っており、またロサンゼルスに本社を置くArca Fundsのパートナー兼ポートフォリオマネージャーであるJeff Dorman氏も
「皮肉なことに、これは仮想通貨に組み込まれた分散型の精神と相反することだ。しかし、うまく機能している限り、これは都合よく無視されるだろう。」
と語っています。
もちろんプラスにとらえる声も多く、投資家のアーロン・ブラウン氏は、次のように語っています。
「取引所といった信頼できる仲介人を持つことは、仮想通貨のICOにとっても普通株式のIPOにとってもよいことです。約束されたデューデリジェンスが名目上でも意味があるかどうかは私にはわかりませんが、プロジェクトまたは仮想通貨の根本的な価値、あるいは調達した資金の使用を証明するよりも、仮想通貨の取引を確実にすることを中心に展開します。」
2017年に詐欺や詐欺まがいのICOが乱立してしまった事もあり、仮想通貨そのもののイメージも悪くなってしまった過去があります。
しかしながら、最近ではIEOが盛り上がっている事もあり、仮想通貨業界もこれに比例して再び盛り上がりを見せつつあります。
近々、バイナンスローンチパッドの第4弾が発表されていたり、他の取引所でも新たなIEO実施されるため、各取引所の動きやIEO実施後のプロジェクトの動向、上場後のトークン価格などに注目していきたいところです。