BitMEX取引所CEOが「ビットコインは1万ドルになる」と発言。その根拠とは?

BitMEX取引所CEOが「ビットコインは1万ドルになる」と発言。その根拠とは?

仮想通貨取引所BitMEXのアーサー・ヘイズCEOが、4月11日にVenture Coinistのユーチューブに出演し、今後ビットコインの価値が1万ドルになる予想の根拠について語りました。

また、長期的に金融プライバシーへの意識の高まりが仮想通貨にとって追い風になるとの独自の金融理論も紹介しています。

ヘイズ氏は、この1カ月で米国でMMT(現代金融理論)を巡っての議論が高まっているとし、ヘイズ氏の認識ではMMTが話題になるほどに、世界の金融政策は再び金融緩和の方向に舵を切り始めているとの考えを述べました。

MMT(現代金融理論)とは、「自国通貨建てだと負債をして天井無しにいくらでも自国通貨発行することが可能となり、政府は赤字財政を気にせず借金をして、そのお金で社会福祉や教育費をまかなう」という理論のこと。

MMTには各国の角界の方から批判的な見解もあり、日本の黒田総裁は「汎広な支持を得られない極端な主張」とも発言をしています。

しかし一方で、アメリカでは民主党のアレクサンドリア・オカシオコルテス氏が「グリーン・ニューディール」を掲げ環境・再生可能エネルギー関連の財政支出拡大の根拠としてMMTを支持しています。

こうした背景からヘイズ氏は、

「2017年末と2018年は、世界の中央銀行は金融引き締めについて話していた。そして我々はマーケットに与えるインパクトを目の当たりにした。利益を上げていないスタートアップもこれからどうやって資金調達をするのか、疑問の声が出始めた(中略)こうした状況が2、3カ月前に変わった。『過去10年間と同じようにマネーを印刷し続ければいいじゃないか』と。この変化は何を意味するのか?有り余ったマネーがリスク資産に流れ込むことになる。仮想通貨はその一つだ」

と解説をしています。

しかし、すぐに仮想通貨に資金が流れるわけでは無く、まずは「UberやpinterestなどIPO(新規株式公開)を控えている大規模なハイテク企業」に投資家などからの資金が流入し、仮想通貨への流入はその後になるとの長期的な見立てをしています。

また、ヘイズ氏は短中期的にはどのように仮想通貨をみているかというと、同氏が強調したのはキャッシュレス化が進む中、人々は現金におけるプライバシーという大切なものを失ったことに気づくと主張しています。

例えば、中国の売店でビールを買うのに現金を使えな場合がある。利用できるのはアプリケーションのwechatでのバーコードスキャンで、利用者としては、お釣りを受け取らなくて済むし、瞬時に決済される最高の体験だ。

しかし、中央集権的な企業に全ての決済データを握られ、それらのデータは中国人民銀行に握られることになり、データをもとに個人がコントロールされることになる。

現金という存在は、政府にとっても悪影響で、税金を徴収するのが難しく、人々の活動を把握できない。

仮に不法な活動をして支払いを受け取っている可能性もあるので、政府にとってはアプリを利用してもらうことで、利用者のすべての行動を把握することができ、生活の全ての局面で税金をかけることができるし、もし従わなかった場合の措置もいろいろな手段がある。

よってキャシュレス決済は、政府にとってはかなり魅力的だ。

とヘイズ氏は述べています。

ヘイズ氏は、中国とインドが完全なキャッシュレス化を最初に実現するとみているが、アジアやヨーロッパなどでは、今後5年間で政府は現金を禁止するだろうと予想しており、その時に人々は「金融のプライバシーとはなんなのか」を再確認すると主張しています。

「数百万ドル分の金を地下に保管しておくことではない。動かすのが大変だ。必要になるのは、一種のデジタル・キャッシュ(現金のデジタル版)だ。 人々は、ビットコインの価値に気づくことになるだろう。(中略)人々は突然、どうやって金融プライバシーを確保すれば良いか、気づかされることになる。

と話を続けました。

ヘイズ氏が考えている通りになれば、ビットコインの価値は2、3年で5万ドル、もしかすると、もっと高くなるかもしれないと述べています。

現在ネットを利用する多くの人々がFANGのサービスを利用し情報を公開しているため、市場での公平な競争を阻害すると懸念する声も上がっているほど、個人のサービスや売買の利用履歴がプライバシーとしての認識が強くなってきています。

同じように現金の流れをデータとして管理された場合には、その流れが一連として記録されてしまうので、このデータをもとに様々なプライバシーの侵害が予測されてしまう可能性がありますが、

仮想通貨を利用することによって、P2Pで個人間でのやり取りや、匿名性がある通貨での利用によって、個人のプライバシーを守ることも可能です。

こういった自由度が高い仮想通貨が今後私たちの生活のなかで重要になってくることをヘイズ氏は見据えているのだろう。

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