「改正資金決済法」が2020年4月施行。仮想通貨交換業者に対する法案を強化
仮想通貨交換業者に対する法案強化を目的に「改正資金決済法」が5月31日、参議院の本会議で成立しました。
2020年4月から施行される予定で、その具体的な内容としては、仮想通貨の取引ルールを規制することや、意図的な相場操作などを禁止することを盛り込んでいるほか、マネーロンダリングの対策を含んでいます。
架空の口座やいくつもの金融機関などを経由させることにより、不正に取得した資金の出所をわからなくする行為
さらに今回の改正によって、従来の「仮想通貨」の呼称が「暗号資産」に変更されることになり、これに関しては、国際会議などの場において”crypto-asset”「暗号資産」の表現が使われていることや、一般投資家が円やドルなどの法定通貨と誤認する可能性があるためです。
今回改正に至った経緯としては、日本は今まで数回にわたり、マネーロンダリング対策に関して、国際的なマネーロンダリング対策を推進する組織である『金融活動作業部会』から法整備の不備を指摘されていましたが、
今年6月にあるG20に先立って仮想通貨交換業者に対する規制整備や、マネーロンダリング対策を強化することで、暗号資産分野で世界的にリードしアピールしたいとの考えがあるとしています。
「暗号資産」の規制に関しては、中国では2017年にICOが禁止されたり、仮想通貨取引所において法定通貨とデジタル通貨の交換を禁止されるなど「暗号資産」の排除の傾向が見られるのに対して、
今回の「改正資金決済法」はあくまで「暗号資産」へ投資する投資家の保護や、マネーロンダリングを規制することが目的とされており、今回の法案からは暗号資産分野の発展を望む姿勢が見受けられます。