フェイスブックに宛てた「リブラの開発中断」を求める文書を米下院金融サービス委員会が公表

フェイスブックに宛てた「リブラの開発中断」を求める文書を米下院金融サービス委員会が公表

7月2日、米下院金融サービス委員会がフェイスブックの仮想通貨「Libra(以下、リブラ)」の開発中断を求める文章を発表しました。

フェイスブックのCEOを務めるマーク・ザッカーバーグ氏並びに「リブラ」開発を担当する子会社Calibra(以下、カリブラ)のCEOを務めるデービット・マーカス氏、COO(最高執行責任者)を務めるシェリル・サンドバーグ氏に宛てた文章となっています。

この文章では、リブラについて

「米国の金融政策および米ドルに匹敵するまったく新しい国際金融システム」

と評しており、その影響力の大きさから深刻な問題を引き起こすことを懸念している様子も伺えます。

また、フェイスブックの膨大なユーザー数についても言及し、規制当局及び議会が検討を行うまでLibraの実施計画を中断することは不可欠といったような表現もなされています。

先月、リブラの計画が正式に発表されてすぐに米国会下院金融サービス委員会の委員長を務めるマキシン・ウォーターズ委員長が開発の一時中断を求める声明文を発表しましたが、これに続き、今回発表された文章の中では4名の議員の署名が追加されています。

また、フェイスブックがユーザーの情報を安全に管理できなかった過去についても、改めて文章の中で言及されています。

ユーザー規模の多いフェイスブックの仮想通貨は、普及が始まれば一気に世界中の人々の目にさらされることとなり、金融システムに大きな影響を及ぼす問題点が発見された場合、それを食い止めるのは至難の業ではありません。

そして、仮想通貨自体がマネーロンダリングの温床として問題視されている面があることも考えれば、規制当局の反応としては自然なものと言えるのかもしれません。

7月16日、17日にはリブラ関係者を招請した米議会の公聴会が開催されますが、フェイスブック側からはどのような説明がなされるのでしょうか。

フェイスブックの仮想通貨「Libra」に関する公聴会開催を予定|米下院金融サービス委員会が声明を発表

フェイスブックの仮想通貨「Libra」が正式公表|米議会からは反対の意見が勃発

フェイスブックの仮想通貨プロジェクト「リブラ」がビットライセンスの取得を申請