中国最大手の太陽光発電メーカーがオーストラリア初のデジタルグリッドに参加
太陽光に関するニュースを取り扱うpvマガジンオーストラリア(pv magazine Australia)は6月5日、中国の太陽光発電メーカーであるサンテックパワーが、オーストラリア初のデジタル電力購入契約(Power Purchase Agreement:PPA)を行うグリッドに参加することを発表しました。
ブロックチェーンで再生可能エネルギーであることを証明
PPA(デジタル電力購入契約)とは、本来は電力全般に関する電力供給者と消費者との契約でしたが、近年では特に再生可能エネルギーとの購入契約のことを指すようになっています。
そのためPPAでは供給する電力が再生可能エネルギー由来ものであることを証明する必要があり、それを解決する手段としてブロックチェーンが利用されることになりました。
年間で約2,300世帯に電力を供給
今回PPAを行うロビンベールソーラーファーム(Robinvale Solar Farm)は、日本企業MSKの買収および経営統合で生まれたサンテックパワージャパンの完全子会社である、サンテックパワーディベロプメントオーストラリア(Suntech Power Development Australia)によって開発されました。
サンテック製の単一軸単結晶PVパネル24,920枚を並べており、交流電力に変換するストリングインバータ147と3つの変圧器が設置されています。
また700m先でオーストラリアの配電会社であるパワーコア・オーストラリア(Powercor Australia)の22kVのネットワークに接続されています。
これらにより年間毎時約1万8,000メガワットの発電が見込まれており、約2,300世帯に電力を供給する能力を持つとされています。
PPA参加基準は200万ドルから10万ドルまで低下
また今回のPPAでは、二次市場の開拓も視野に入れています。
今回の発表によると、従来PPAに参加できるのは10メガワット(MW)以上、あるいは200万ドル以上を購入する大規模な顧客のみで、ほとんどの企業は市場から締め出されていました。
しかし、ブロックチェーンのスタートアップ企業であるウィーパワー(WePower)が開発した新しいプラットフォームを使用することにより、PPA参加基準は200万ドルから10万ドルにまで下がりました。
今回二次市場を開いたのは、オーストラリアのエネルギー取引業者であるモジョパワー(Mojo Power)です。
モジョパワーのCEOであるウォーレン・マーフィー氏は、
「このプラットフォームを通じて電力を購入し、従来の小売りエネルギー計画を回避することによって、企業は電力料金を最大30%節約することができます」
と話しています。