タイ中央銀行は大企業によるCBDC利用が始まっていると発表
タイ中央銀行(BOT)は、「すでに一部の大企業とCBDC(中央銀行デジタル通貨)による取引を開始している」ことを発表しました。
BOTのバチラ・アロムディ副総裁は、
「BOTはCBDCの一般市民への利用拡大も考えていますが、その前に総合的な調査を終えなければなりません」
と述べています。
タイはかねてからCBDCの発行・運用に向けて取り組みを進めており、現在は実用化への第3段階に入っているとのことです。
また、BOTは他国との取引にもデジタルトークンの利用を開始する予定があるとしており、バチラ氏によると、今年9月から香港通貨管理局との取引に、デジタルトークンの使用を開始すると述べています。
バチラ氏は、
「デジタルウォレットを介したCBDCの公共利用は大きな問題である」と付け加え、「金融界の安定性への影響も含め、発行の賛否を慎重に検討する」
としています。
さらにバチラ氏は、CBDCが金融取引において仲介業者が不要となることで、商業銀行にマイナスの影響を与える可能性があることに懸念を示しています。
ただし、CBDCの導入によって金融取引のコストが削減されるメリットは大きく、デジタル元の導入が進められている中国においては、従来の金融システムに悪影響を与えていないとの見方も示しています。