ブロックチェーンがSDGsにもたらす影響
国連は情報通信技術に関する事象を担当する専門機関「国際電気通信連合(ITU)」を通じて、SDGsの目標達成に対するブロックチェーンの役割について分析を行ってきました。
分析によると、SDGsの目標達成には実行しなければならないアクションのための資金調達、およびモニタリングを正しく管理することが必要としています。また、ブロックチェーンの導入についての議論だけでなく、より大きな影響にどう備えるかを議論する必要があると述べています。
既存のシステムと並行してブロックチェーン技術を利用することにより、価値の移転による摩擦の制限、ブロックやボトルネックの発生を最小限に抑える、迅速な流動性に貢献できると判断しています。
ブロックチェーンは透明で安全なトレーサビリティを可能にし、私たちが使っているモノが未成年者の労働力や、低賃金による労働力搾取で作られたものでないことを保証することができます。
またプロダクションチェーン全体を通じて、倫理的な行動も保証されますので、不利な立場にある人たちへの賃金の流れを増やす効果も期待できます。
もうひとつの可能性としては、資産をトークン化し、不変で完全に追跡できる登録システムのなかであらゆるものを表現できることです。
ブロックチェーンの特性である透明性・信頼性は公共予算の作成や編成の過程をリアルタイムで監視でき、不正があればアラームを発動させて気付くことができます。
Web3.0時代を迎えるにあたり、技術が持つ力を理解し、公的機関や一般市民にとってどのような意味を持つのかが重要です。
いくつかの分野で様々な可能性がありますが、どの分野においてもブロックチェーン利用はまだ初期段階といえます。
ブロックチェーンは不正を排除する仕組みとなり得ますが、ブロックチェーンの特徴のひとつ「不変性」には倫理的な配慮が必要です。
なぜなら個人情報、財産権、デジタルIDの共有についてのミスの是正は極めて困難な可能性が高いからです。
ブロックチェーンが世の中に大きな変動を促しはじめているなかで、私たちはリスクをしっかりと理解した上で取り組まなければならないでしょう。