【初心者向け】仮想通貨のステーブルコインってなに?
仮想通貨は、現在価格の上下が激しいデメリットがあります。(価格変動の度合いを示すことをボラティリティと呼びます。)
その問題を解消するための仮想通貨として期待されているのがステーブルコイン(Stable coin)です。
今回は「ステーブルコイン」について学んでみたいと思います。
なぜステーブルコインは必要なの?
ビットコインを始めとした仮想通貨の目的には、送金を素早く・安く・便利にしたいということが含まれますが、仮想通貨の相場はボラティリティが高すぎるために、その目的に反するものとなってしまっています。
このような価格が乱高下するボラティリティの高さの大きな要因の1つは、特定の通貨や物品などといった担保がないことにあると考え、法定通貨レベルに価格の安定した利便性の高い仮想通貨が求められるようになりました。
そこで登場するのがステーブルコイン(Stable coin)です。
ビットコインを始めとした仮想通貨には、様々な利便性が期待されていますが、非中央集権型の通貨なので、日本円のように日銀が管理している等の特定の管理者が存在していません。
その概念自体は、とてもフェアな考え方ですが、現在では非中央集権ゆえに、ボラティリティが高い通貨になってしまいました。
もし実際にビットコイン決済をした時の価格より、2日後にビットコインの価値が2倍に上がっていたらどう感じますか?
「めちゃくちゃ損した!」と大体の方は感じるでしょう。
実際これに近いようなことが起こっていて、利便性などという以前に、そもそも価格が安定しなければ使うことが現実的に難しくなっています。
この問題をステーブルコインで解消して行こうという動きになったのです。
ステーブルコインってなに?
では実際にステーブルコインとはどの様なもので、誰が発行しているのでしょうか?
もっと有名で一般的なのはテザー社の発行するUSDTでしょう。
仮想通貨に投資をしようとしたときに、取引所などでBTC/USDTというようなペアをみたことがあるかもしれませんが、このUSDTこそがステーブルコインです。
USDTは最も早く発行されたドルペッグのステーブルコインで、Binance、OKEx、BitForex、Huobi、Bitfinex、Kraken、Poloniexなどの取引所などで上場するなど圧倒的な人気がありました。
2018年6月には約275億円が発行されたことが判明していますが、実はテザー社はペッグされているはずのドル資産を保有していないのではというスキャンダルが発覚し、信頼性については疑惑が続く状況が続いています。
しかし現在では、テザー以外にも有力なドルペッグのステーブルコインが次々に誕生しており、その安定性も向上しつつあります。
では次に、どの様なステーブルコインが誕生しているかをみてみましょう。
3種類のステーブルコイン
ステーブルコインにもいくつかの種類が存在し、それぞれのデメリットを解消して新しく作られていますのでその種類をご紹介します。
1.法定通貨担保型
ステーブルコインの第1世代ともいわれるのが法定通貨担保型のもので、法定通貨には、米ドルや日本円のいわゆる法定通貨以外にも、金や原油などを担保にするものもあります。
代表的なものは以下のとおり。
- USDT(テザー)
- TUSD(トゥルーユーエスディー)
- LCNEM(エルシーネム)
- DGX
2.仮想通貨担保型
仮想通貨担保型とは、法定通貨や金などではなく仮想通貨を担保とするステーブルコインです。
このタイプは第2世代のステーブルコインとも呼ばれますが、第1世代のように国や政府の規制による閉鎖リスク、担保に対するリスクがないとされています。
- DAI(ダイ)
- Havven(Hav)
などがこれにあたります。
3.無担保型
無担保型とは、第3世代のステーブルコインとなりますが、スマートコントラクトが中央銀行のような役割を担い、需給を調整することで価格を安定化させようというアルゴリズムを駆使した暗号通貨らしいステーブルコインです。
- Basis(ベーシス)
- Saga(サーガ)
- KUSD
ステーブルコインの使い方
一時期の激しいボラティリティは、仮想通貨が決済として利用されるのに大きな障害となり、中央集権を持たない仮想通貨でありながら価格が安定したコインが求められることで、ステーブルコインが登場しました。
仮想通貨はボラティリティが大きいため、保有している時には大きなリスクがつきまといます。
そこで、仮想通貨の価格が大きく下落する際に一旦ステーブルコインに避難し、価格が下がり切ったところでまた購入するという方法を取ることで利幅を大きくすることも可能です。
現状、次々にステーブルコインが発行されており、第3世代の無担保型のベーシス(Basis)は、アンドリーセン・ホロウィッツなどの有名ベンチャーキャピタルから140億円もの資金調達に成功しています。
そうなるとビットコインやイーサリアムなどの既存の仮想通貨はお払い箱にでもなるような論調もありますが、果たして本当にそうなのでしょうか?
新技術として登場したビットコイン、その革新性ゆえに発生したデメリット。
そのデメリットを補填するカタチで発生したステーブルコイン。
ユーザー側としては、安定して便利な決済ツールとして仮想通貨の使用をしたいと願うばかりですが、発展途上の通貨ゆえ、今後のステーブルコイン関連のニュースにも注目ていきたいところです。