【初心者用】サイドチェーンってなに?

【初心者用】サイドチェーンってなに?

サイドチェーンを一言で表すと、「ビットコインの不十分な部分(機能)を解消するために作られた技術」のことをいいます。

ビットコインと言えば仮想通貨の代表的な存在ですが、取引の承認に時間がかかってしまうスケーラビリティ問題を抱えていたり、イーサリアム(Ethereum)のようなスマートコントラクトなどの機能がなかったりといった課題もあります。

そこで開発されたのが、サイドチェーンです。

サイドチェーンを簡単にイメージすると、メインとなるブロックチェーン(親チェーン)にもう1つの鎖(子チェーン)が繋がっているものとイメージしてもらえれば大丈夫です。

そして、繋がったその複数のチェーン同士でトランザクションや情報を共有することで、ブロックチェーン全体の機能を拡張したりすることができるというものです。

サイドチェーンのメリット

サイドチェーンを使用することでどのようなメリットがあるのでしょうか。

①ハッキング被害の軽減

約50億円分のイーサリアムがハッキングにより盗まれた「The Dao事件」

この事件から、スマートコントラクトのプログラムコードを親チェーンに全て記述してしまうことで、ハッキングをされた場合の被害が膨大になってしまうことがわかりました。

その結果ハードフォークが行われ、ハッキングをされたことを無効にしましたが、ハードフォークは親チェーンを分裂させなければならず、信頼性や負担の観点から頻繁に行えるものではありません。

一方、スマートコントラクトのコードをサイドチェーンに記述しておけば、仮にハッキングをされてしまったとしても、サイドチェーンを切り離すだけで被害と負担を最小限に抑える事ができるのです。

②処理能力の向上

親チェーンとサイドチェーンで情報を共有したり、新たな技術を加える事で、ブロックの承認時間を短縮することが可能です。

ビットコインでは、ライトニングネットワークがこれに当たります。

ライトニングネットワークでは、サイドチェーンでビットコインを高速処理し親チェーンに戻すという仕組みで、手数料の削減と承認時間の短縮が可能になると考えられています。

③新たな機能の追加

サイドチェーンは、親チェーンから分岐して独立しているので、親チェーンに大きな変更を加えずとも、従来のあるとコインに実装されているような様々な機能を追加することができるのです。

匿名性、スピーディな取引、コインの発行量の調整といった、技術的にも経済的にもメリットがある仕組みに変化させることが可能なのです。

サイドチェーンのデメリット

①セキュリティの問題

親チェーンとサイドチェーンの接続がしっかりとしたセキュリティで行われていないと、サイドチェーンは広く普及することは難しくなります。

さらに接続の際だけでなく、サイドチェーンそのもののセキュリティもしっかりしていないと、サイドチェーン内でのハッキングを許してしまう事になってしまいます。

便利になる反面、セキュリティを気にしないといけない箇所が増えるため開発の難易度が高まります。

②承認作業の増加問題

親チェーンとサイドチェーンで情報を共有するという事は、

・親チェーンでの承認作業
・サイドチェーンでの承認作業
・親チェーンとサイドチェーン間での取引の承認作業

が最低限必要になってきます。

元々承認作業が大変なうえ、さらに新たな承認作業が追加となってしまうので、作業量は膨大になります。

まとめ

今回は、ビットコインのデメリットを解消するために開発された、サイドチェーンについてご紹介していきました。

既存のビットコインにはメリットがたくさんありますが、

  • ハッキングされた場合の被害の最小化
  • ブロックサイズによるスケーラビリティ問題
  • 新機能の追加のしにくさの改善

といった課題がありました。そのようなデメリットを解消するための技術として、サイドチェーンには大きな期待が寄せられています。

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