Facebook、ブロックチェーン関連企業からスタッフ採用。情報保護に向けた取り組み強化

Facebook、ブロックチェーン関連企業からスタッフ採用。情報保護に向けた取り組み強化

ソーシャルメディア大手のFacebookは、スマートコントラクトプラットフォームの背後にあるスタートアップ、Chainspaceからスタッフを採用することで、ブロックチェーンの取り組みを拡大しています。

Chainspaceを開発している研究者は、Facebookがさまざまなアプリケーションにわたってブロックチェーンを拡張するのを支援するのに適しているかもしれません。Webサイトによると、Chainspaceは、ブロックチェーンネットワークが直面するスケーラビリティ問題を軽減するために、シャーディング(データベースを小さな単位に分割するプロセス)を利用しています。

Cheddarによると、Chainspaceの基になっている学術論文に関わった5人の研究者のうち4人がFacebookに参加するという。

Facebookの広報担当者は、CoinDeskに対し、スタートアップ企業自体や技術を買収はしていないが、そのスタッフの何人かがFacebookのブロックチェーングループに加わったことを認めています。

Facebookは声明で、

「他の多くの企業と同様に、Facebookはブロックチェーン技術の力を活用する方法を模索しています」

とし、

「この新しい小さなチームは、さまざまなアプリケーションを検討しています。」

と述べています。

Facebookの採用ページでは、現在、11つのブロックチェーン関連の職種を雇用しています。

これは昨年の12月からのことです。その職務内容は、Facebookのブロックチェーンチームは「Facebook内のスタートアップ」として活動しており、次のように付け加えています。

「私たちの最終目標は、何十億もの人々がまだ今は持っていないものへのアクセスを手助けすることです。それは医療、公平な金融サービス、あるいは情報を保存または共有する新しい方法のようなものです。」

Facebookの情報流出への対策と透明化へ向けた取り組み

Facebookのデータ流出はこれまでも幾度もあり、最近では2018年9月に、ハッキングによって5,000〜9,000万人分の個人情報が流出していたことを明らかにしていました。また、過去にはアメリカ政府の捜査官からMessengerアプリの通信傍受を要求されるということもありました。

この時、FBI側は操作妨害だとして情報の公開を主張していたもののFacebook側は拒否をしましたが、ハッキングによる流出によるものにしろ、政府によるものにしろ、少なくとも個人情報については、様々な政治的な思惑に利用される可能性があるため、それが第三者に利用されることは避けるべきです。

ザッカーバーグ氏は、個人情報の販売や提供について否定しており、ビジネス的な観点からも個人の情報を保護する動機があることも述べています。

彼のFacebookページでは、

「暗号化や暗号通貨は中央集権システムからパワーを取って人々の手に戻しますが、それはコントロールが難しいというリスクを持っています。私はこれらの技術の良い面と悪い面、そして私たちのサービスでそれらをどのように使うのが最もよいかについてもっと深く調べたいと思います。」

と述べられていることや、最近でも「権力が個人に与えられると強く信じている」という趣旨の発言をしています。

今回の発表も、情報流出への対策強化と取り扱いの透明化へ向けた取り組みといえるでしょう。