ブロックチェーン活用しサイバー攻撃から発電所を保護|米国
アメリカのエネルギー省のNational Energy Technology Laboratory社(=NETL)は2019年4月10日、分散型サイバーセキュリティ企業であるTaekion社と共同で進めている電力網セキュリティプロジェクトが、第2段階に入ったことを発表しました。
Taekion社は2018年に分散型エネルギー網の開発のためにNETLから約100万ドル(1億1000万円)の助成金を受けていました。
1段階目では、イノベーションの技術的実現を実証する研究を行っており、今回から始まった2段階目では、発電所の全てのセンサーや装置、機械処理などを分散型台帳で管理し、発電所を保護するためにブロックチェーン技術がどう活用していけるのかを調査するとしています。
NETLは、
「発電所の稼働状況に関する正確な情報は、配電網のセキュリティにとって非常に重要です。重要情報の保管が分散化されている場合、単一障害は起こらない。」
と語っています。
2016年にウクライナの発電所がサイバー攻撃を受けたとき、発電所は一見、通常運転を続けているように見えましたが、実際には停止していて大規模停電に繋がってしまったという例があります。
NETLは続けて語ります。
このプロジェクトで開発されているアプリケーションは、ハッカーがプラントの運用情報を変更するのを防ぐことによって、このような攻撃を阻止できる可能性があります。」
ブロックチェーン技術の「改ざんが事実上不可能」という特徴を生かしたアプリケーションだからこそ、このようなセキュリティを高めることが実現できるとしています。
このようにブロックチェーン技術を様々な用途で使おうとする動きが、世界各国で広がっています。
金融分野だけでなく、医療分野や不動産分野、そして今回のセキュリティ分野まで幅広い研究が進められているブロックチェーン。
今後もこの技術を活かした画期的なサービスが、続々と世に出てくると予想されています。