2018年、仮想通貨取引により収入を得た人は減少|確定申告状況を国税庁が発表
「仮想通貨取引による収入があると判別できた人数」は一昨年と比較し2割減少
国税庁が発表した「平成 30 年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」と題された資料で、平成30年(2018年)に”仮想通貨取引による収入を得た人数“が一昨年と比べ約2割程度減少したことが明らかとなりました。
同資料で、平成29年(2017年)の”仮想通貨取引による収入があると判別できた人数“は331人。
一方で、平成30年(2018年)のは271人となっています。
2017年といえば、仮想通貨の価格が急騰し、仮想通貨の“バブル”と言われた時期。
一方、2018年は仮想通貨の価格が急落し、仮想通貨の“低迷期”や“冬の時代”と言われました。
国税庁が発表したこの結果は、言葉で表現された通りの「仮想通貨の浮き沈み」を如実に反映していると言えます。
しかし、2019年4月以降は「ビットコインの高騰」が話題となることが多く、現在のビットコインの価格は4月初旬と比較すると約2倍にまで上昇しています。
ビットコインの価格が高騰している要因には、多くの専門家やアナリストが様々な見解を示しており、5月30日にCNBCに出演した米金融サービス大手サスケハナのバート・スミス氏からは、ビットコインの価格高騰には、人民元安が要因のひとつとなっているという見解も示されています。
中国と米国の貿易摩擦が仮想通貨市場に影響か
現在、中国と米国の貿易摩擦に対する懸念から、両国の通貨安が進んでいることが注目されることが多くなり、今月初めには、トランプ氏の中国製品への関税引き上げを表明したツイートで、中国株の大幅安や人民元の急落も話題となりました。
また、米国株については、S&P500種が米中の摩擦が長期化することを懸念するように12週ぶりとなる安値をつけた昨日の値動きが注目を集めています。そして、こうした国際情勢の中、ビットコインが資金の逃避先となっていると考えるアナリストも現れ始めています。
さらに今朝、ブルームバークには、「ビットコインの価格上昇は、誰も使用していないという事実を隠している」という主旨の記事が掲載されました。
依然として、ビットコインのボラティリティ(価格変動率)は高く「通貨として使いづらい」という側面が存在しており、「ビットコインの取引を行っているのは”投機目的”で行われる場合がほとんど」という認識が広まっていることも否定できません。
今月初めに発表されたとフィデリティの調査では、調査対象となった米国の機関投資家のうち約2割が仮想通貨を既に保有していると答えていました。
2017年の”バブル”から、2018年の”低迷期”を経験し、現在、価格高騰が話題となっている仮想通貨。今後も、様々な報道に注目が集まりそうです。