ソニーがブロックチェーン技術を活用した共通データベース基盤の開発を発表

ソニーがブロックチェーン技術を活用した共通データベース基盤の開発を発表

ソニー株式会社は23日、マース(MaaS:Mobility as a Service)向けにブロックチェーン技術を活用した共通データベース基盤(ブロックチェーン・コモン・データベース:BCDB)を開発したことを発表しました。

マースとは複数の交通機関を統合し次世代移動サービスのことで、電車やバス、タクシーといった従来の交通機関だけではなく、カーシェアリング、配車サービス、レンタル自転車といった交通サービスもマースの中に含まれています。また、電車とレンタル自転車のような各種交通機関と各種交通サービスを組み合わせることも可能です。

マース(MaaS)では、データベースに入力してある複数の交通手段の中から利用者が希望する目的地への最適経路、所要時間などの情報を提示し、交通手段を利用する上で必要となる乗車券などの予約および決済までを一括してサービス提供します。

今回発表されたデータベースは、データの高速処理を特徴としたソニーの独自開発技術で、1日で可能な匿名化された移動履歴と収益配分の記録と共有数は、700万件以上となっています。

ソニーの発表によると2020年3月末まで実証実験を行っており、2019年にオランダのインフラ・水管理省が公募したブロックチェーン・チャレンジ・プログラムに参加、唯一同省の要求仕様に対応したことも合わせて公開しています。

これまでにもソニーグループは、教育分野やエンターテイメント分野にブロックチェーン技術の展開を行ってきました。

2017年に教育分野を担当するソニー・グローバルエデュケーションが開発したブロックチェーンシステムは、複数のデータを一元管理する学習データやデジタル成績証明書などの登録および参照を可能としました。

これらのデジタル証明書は、ある評価機関が人工知能(AI)で解析し、教育機関の授業計画や運営の改善案に繋げるなど、別の評価機関へ安全に提供することも視野に入れており、さらに、このシステムは、異なる分野での応用にも期待されています。

音楽ソフトの販売やイベントの企画などを担当するソニー・ミュージックエンタテイメントは、同システムを活用した効率的な著作物の権利情報の処理や証明技術を2018年10月に発表しました。

また東京とパリに研究所を構えるソニーコンピューターサイエンス研究所では、ブロックチェーン技術普及のためにICカード技術を応用した仮想通貨ハードウェアウォレット技術の開発を2018年10月に発表しています。

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