韓国の規制当局がダークウェブでの取り引きを監視へ
韓国の政府機関が、ダークウェブ上の仮想通貨の動きを追跡できるソフトウェアを開発することが明らかになりました。
これは、韓国で大きな事件として報じられた「n番部屋事件」が大きく影響していると見られています。
「n番部屋事件」とは、韓国で2018年後半から2020年3月まで、メッセンジャーアプリ・テレグラムを利用して行われていた大規模なデジタル性犯罪事件です。
加害者は女性被害者の個人情報をもとに脅迫し性的行為の動画を提供させ、それをテレグラムの有料チャットルームに配信していました。
被害者は少なくとも70人、有料会員は約26万人いたとされています。
韓国メディアによると、規制のための新しい取り組みは、韓国インターネット安全保障庁(KISA)が中心となって進められています。
「n番部屋事件」では、容疑者が警察への協力を拒否していることから、多くの仮想通貨取引所からの協力が得られているにもかかわらず、支払に利用されていた仮想通貨モネロの流れを追って、会員などを特定することに苦労しています。
KISAによると、AIや機械学習技術を活用して韓国のダークウェブを自動巡回することで、仮想通貨関連の取り引きをパトロールするとしています。
KISAによると、2016年と比較して韓国でのダークウェブ利用者は3倍、取引額は1.5倍に増加していることから、新たなツールの必要性に迫られているとしています。
KISAは、新しいシステムは2022年までに稼働させる予定としています。