インドネシアの養鶏会社、競争力を高めるためにブロックチェーンを採用

インドネシアの養鶏会社、競争力を高めるためにブロックチェーンを採用

イスラム経済などの情報を報道するサラームゲートウェイ(Salaam Gateway)は6月29日、インドネシアの養鶏会社であるPTシェラドプロデュース(PT Sierad Produce Tbk)が、顧客の信頼を高め、世界市場での競争力を高めるためにブロックチェーンテクノロジーを採用したことを発表しました。

情報の透明性で競争力を高める

ブロックチェーンでは、個人の持つPCやスマートフォンといった端末もデータベースとなることができます。そのため大量のデータベースが出来上がり、少数のデータベースの情報を改ざんしても、その他複数のデータベースと比較することで正しい情報を特定することができるという仕組みです。この改ざんされにくいという特徴が、情報の透明性の高さへと繋がっています。この透明性の高さを使うことでPTシェラドプロデュースは、競争力を高めることを考えています。

イスラム独自の文化であるハラル問題にも対応

インドネシアでは宗教上の問題から、一部の食料を口にしない人々がいます。例えばイスラム教では豚肉を食べられず、食べても良いもののことをまとめてハラルと呼んでいます。

このハラルは、生鮮食料だけを指すものではなく冷凍食品も含んでおり、これらの材料となっているものにもハラルが関わっています。ブロックチェーンの透明性を使えば、冷凍食品の材料がハラル問題をクリアしていることが証明できます。

農業開発の新興企業HARAトークンのブロックチェーンを使用

今回、PTシェラドプロデュースで使われるブロックチェーンは、農業開発の新興企業であるHARAトークンのものを使用しています。

HARAトークンは昨年中央銀行と協力することで、農業データをデジタル化するインフラタニ(INFRATANI)プログラムを立ち上げました。

このプログラムでは、農業従事者や加工業者、バイヤー全体の情報を追跡することを目的としています。

製品パックのQRコードで生産段階を追跡

PTシェラドプロデュース傘下のPTベルフードインドネシア(PT Belfoods Indonesia)の代表取締役であるディッキー・セランは、ブロックチェーンを使用することでバリューチェーン全体に透明性を提供できると語っています。

製品パックにあるQRコードをスキャンすることにより顧客は、追跡アプリを通じて生産のあらゆる段階を追跡できます。

また同氏は、ブロックチェーンへの投資は5年足らずで回収できると予測しており、より多くの利益を生み出すための最初の原動力として考えています。

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