リップル社がCO2排出量ゼロ達成への計画を発表 | 2030年を目標にエネルギーWeb財団などと提携
CO2排出量の削減は、世界中で取り組まれている環境保護活動の1つです。
2050年までにカーボンネットゼロを達成するために世界が協力しており、優先順位の高い事項として各業界が脱炭素化を目指しています。
これら目標に対して、リップル社はブロックチェーン業界で最初の企業として計画を発表しました。
今回は、Ripple社が発表したCO2排出量実質ゼロへの取り組みについて、脱炭素化を可能にするツールや達成までのプランを紹介します。
リップル社がCO2排出量実質ゼロの目標を発表
キャッシュレス化は世界で広く進んでおり、決済手段として利用されるブロックチェーン技術で環境保護に取り組むことは、世界的にも大きな意味を持ちます。
その中でも、国際送金を軸にフィンテックを進めるリップルが、環境やエネルギー問題へ取り組むことは、世界にもインパクトを与えるでしょう。
脱炭素化を可能にするオープンソース
リップル社の取り組みには、脱炭素化を可能にするオープンソースツールの開発が含まれています。
エネルギーWeb財団(Energy Web Foundation)との提携にて、共同開発した脱炭素化を可能にするオープンソースツール「EW Zero」は、あらゆるブロックチェーンプロジェクトで利用可能です。
「EW Zero」は、XRP Ledger Foundation(XRP Ledger財団)が最初の利用者となり、XRP Ledgerで消費するエネルギーの購入を保証します。
また、ブロックチェーン技術を利用してサービスを開発する際には、だれでも「EW Zero」へアクセスできるツールとして、今後ブロックチェーンを利用するシステムで利用できるものです。
2030年までにカーボンネットゼロを達成するための3つのプラン
リップル社がカーボンネットゼロを達成するために、以下3つのプランを発表しました。
- CO2排出量を包括的に測定して削減し、リップル社の拠点にてクリーンで再生可能なエネルギーを購入
- 革新的な炭素除去技術に投資
- 環境保護団体や学界とのパートナーシップを拡大
例えば、クリーンで再生可能なエネルギーの購入は、世界に持つリップル社の拠点(サンフランシスコ、ニューヨーク、ロンドン、シンガポール、ドバイなど)で利用するエネルギー購入時に実践されます。
CO2排出量を削減するために、このような持続可能な対策を採用すれば、2030年までに世界経済の約26兆ドルを節約できる試算です。
また、パートナーシップの拡大は、REBAやロッキーマウンテン研究所、そしてエネルギーWeb財団と協力して実現していきます。
エネルギーWeb財団とは
エネルギーWeb財団は、ブロックチェーンをはじめとする分散型テクノロジーについて、低炭素な電力システムを加速させる非営利団体で、2019年に、世界初のオープンソースである「Energy WebChain」を立ち上げました。
公共事業やグリッドオペレーター、再生可能エネルギー開発者や企業のエネルギー購入者などで構成されるエネルギーブックチェーンエコシステムを促進しています。
REBAとは
REBAは、研究と教育を主導する非営利組織で、ゼロカーボンエネルギーシステムを推進しています。
革新的なクリーンエネルギー市場ソリューションの研究開発や、再生可能エネルギー市場のベストプラクティス実施、大規模エネルギーを利用する顧客によるクリーンエネルギー市場の調査・評価などに貢献する組織です。
ロッキーマウンテン研究所とは
ロッキーマウンテン研究所(RMI)は、1982年に設立され、化石燃料から効率性と再生可能エネルギーにおいて、費用効果の高い方法へ移行するソリューションを促進している非営利団体です。
RMIには約299人のスタッフが在籍し、年間5600万ドルの運営で世界的に評価を得ています。
DXによって地球を犠牲にしないために
フィンテックは世界中で採用され、広がりを見せています。グローバルファイナンスの未来を持続可能なものにするため、その取り組みを評価していかなければなりません。
「デジタル決済をはじめとしたDX(デジタルトランスフォーメーション)によって、地球を犠牲にしてはならない」と、リップル社のCEOであるBrad Garlinghouse(ブラッド・ガーリングハウス)氏も述べています。
エネルギー消費を監視し、地球環境に配慮した取り組みを続ける第一歩として、ブロックチェーン業界でもCO2排出量実質ゼロにする計画を進めています。
将来的に、世界ではブロックチェーンとデジタル資産は重要なテクノロジーとなることが予想されることから、国際送金をはじめとした決済ソリューションを提供するリップル社はその中核を担うとともに、持続可能な未来を構築する推進力となるかもしれません。