アップルが仮想通貨のキャリアを持つ人材を募集ー決済事業開発へ
アップル社は5月26日、自社サイト内の求人ページでビットコイン(BTC)に代表される仮想通貨についてのキャリアを持つ人材募集を開始しました。
募集要項で最も優先される事項には、「ビジネスデベロップマネージャー(事業開発管理者)–オルタナティブペイメント(代替え決済)」と明示されています。
また、職歴は「仮想通貨の業界で決済に関連する業務経験が5年以上」という条件をあげています。
経歴業界の具体例として「ビットコインを含む仮想通貨、BNPL(後払い)、ファストペイメント、デジタルウォレットなどの決済を手がける企業での勤務もしくは業務経験」としています。
募集の事業計画と背景
この募集で獲得する人材は、クレジットカードやキャッシュといったメジャーな支払い手段にとって代わる「仮想通貨決済」の組織を運営することを求められています。
アップル社が計画する決済事業のスペシャリストとして、デジタルアセット界隈のキーパーソンとのコンタクトや、提携企業と良好なコミュニケーションを図るといった開発業務を担当します。
また、すでに運用されている「Apple Pay」部門の幹部ジェニファー・ベイリー氏による、
「アップルは仮想通貨に着目している。トレンド傾向とテクノロジーをチェックしている」
「長期的に見ると仮想通貨は可能性を持っているが、我々が最優先に考慮するのはユーザーである」
という2019年の発言が、今回の求人募集の背景として再び取り上げられています。
アップルが仮想通貨業界に入り込んだと仮定したケースを、カナダに拠点を置く大手投資銀行RSB キャピタルマーケットが今年2月に発表しています。
同銀行のミッチ・スティーブス氏は、アップル社の事業内容やプラットフォーム規模を考慮すると、その額は年間でおよそ4.3兆円(400億ドル)以上の利潤をもたらす可能性があるとの試算を報告しました。
さらに、現段階での市場規模にアップルが参入すると、ごく短期間のうちにマーケットシェアのトップを取るとの予想も示しています。