ノートン360にETHのマイニング機能搭載へ-一部では批判の声も
ウイルス対策ソフトなどを開発している米ノートンライフロックは、同社が販売している「ノートン360」に、イーサリアム(ETH)のマイニング機能を実装すると発表しました。
同社はウイルス対策ソフトにマイニング機能を搭載するに至った背景について、マイニングに当たってはウイルス対策ソフトを無効にする必要があることを挙げました。
マイニングを行う際には、ランサムウエアを植え付けられるなどのリスクがある未検査のコードを、PCに導入する必要があることも背景にあるとしています。
また、マイニング報酬がPCのストレージ内にあるデジタルウォレットに保管されるため、PCの故障によってデジタルウォレットが紛失するリスクがあることも挙げています。
ノートン360に搭載される新機能「ノートンクリプト」は、ノートン360と同時使用することでセキュリティー対策を取ると同時に、PCの故障に対処するためにクラウド型のウォレットを提供します。
このノートンクリプトは、すべてのノートン360のユーザーに数週間以内に提供する予定で、同社は「数回のクリックで仮想通貨のマイニングに参加し、仮想通貨エコシステムに参入できる」としています。
ただ、こうしたノートンの方針に対しては、批判的な声もあります。セキュリティー関連メディアのブリーティング・コンピューターや、技術系メディアのザ・バージなどです。
ブリーティング・コンピューターはマイニングによって得られた仮想通貨は課税対象となるため、納税申告書を提出する必要があるなど、ユーザー側の負担を問題視しています。
一方、ザ・バージは、ノートン360がプレインストールされているPCが多いことに触れ、そうしたPCが非使用時にマイニングに使われ、利益がノートンに還元される可能性に言及しています。