「BTCの法定通貨化はリスクがメリットを上回る」IMFエコノミストが見解
国際通貨基金(IMF)の公式ブログに、ビットコイン(BTC)の法定通貨化に関するエコノミストの論文が掲載されました。
投稿したのはトビアス・エイドリアン氏とローダ・ウイークス=ブラウン氏の両名で、エルサルバドルのBTC法定通貨化を念頭に置いたものとみられます。
BTCの法定通貨化に関するさまざまなリスクやメリットを挙げ、現時点ではリスクがメリットを上回るとしています。
まず、リスクとして挙げているのが価格変動の大きさで、BTCの価格が4月に6万5000ドル台に達しながら、その2カ月後に半減したことを例として挙げています。
また、テロやマネーロンダリングについても徹底的な対策を行わなければ、BTCをはじめとする仮想通貨は脱税などに利用される危険性があるとしています。サイバー攻撃によって資産を失う可能性もあり、BTCには法的な発行者が存在していないので、損害を受けた時に償還請求が極めて難しくなるというものです。
さらに、インターネットのインフラもBTCを法定通貨化するような国では、ネットへのアクセス環境が不十分であり、公平性に欠けているとしています。
その他、BTCのマイニングが大量の電力を消費しているという現状を示したうえで、これが環境問題につながりかねないこともリスクとして挙げています。
決済が安価であることなどのメリットを挙げたうえで、こうしたメリットがあってもリスクが上回っているのが現状で、法定通貨化は推奨できないと結論づけています。