カーボンプロジェクトの開発者、2030年までに26億ドルを失う可能性があると警鐘|Thalloのレポート
ブロックチェーンによる透明性の高い開かれたカーボンオフセット市場の構築を目指すThalloは、カーボンプロジェクト開発者の意見をまとめ、自主的炭素市場を拡大するにあたっての課題を発表しました。
このレポートでは、登録機関や検証機関(VVB)による現行の制度では検証が遅く、プロジェクト開発者は最大26億ドル(約3870億円)のコストを負担することになり、2030年までに4.8ギガトンものカーボンクレジットが、未交付になる可能性を指摘しています。
なお、この量はカリフォルニア州全人口の、今後8年間の二酸化炭素排出量に相当します。
特に地域社会では、カーボンクレジットの収益が得られることで初めて利益につながるため、遅れは大きな打撃となります。
そのためThalloは、登録機関や検証機関との密接な協力とフィードバックの統合、登録におけるベースライン手法の収束、dMRVやブロックチェーンなどの新しい技術の採用、検証機関スタッフの業務効率化トレーニングを行うことなどにより、クレジットの発行速度を2倍にできると強調しています。
また中小プロジェクトの資金調達が困難であることも指摘しており、その一因に自主的炭素市場に存在する一部の悪意あるブローカーの存在を挙げています。
クレジット販売で資金調達する際に、買い手と売り手は現状マッチングしづらく、ブローカーに依頼するのが通常手段でした。
そのため、2021年には投資家とブローカーが市場取引の3分の1を占め、最悪の場合、利益の78%がブローカーの懐に入っている状態だと伝えています。
Thalloを含むReFiプロジェクトによる透明性の高いプラットフォームを使うことにより、中小プロジェクトは正当な利益を確保できると解決策を挙げました。