SEC(米国証券取引委員会)、ICO市場は拡大する見込み
「仮想通貨交換業等に関する研究会(第8回)」資料3によると、ICOについて中国や韓国では2017年9月以降禁止としていることや、アメリカやスイスなどではICOトークンが既存の証券規制の適用対象となり得るとしたうえで認めるなど、各国でその方針や対応は様々です。
その主な理由は、2018年にICOによる資金調達がブームとなり様々なプロジェクトが乱立したものの、投資家の保護が十分で無い、犯罪目的の恐れがある、事業計画が杜撰なものが多いなど、ICOの問題点が顕在化したことによるもの。
そうした背景から、最近はICO市場は冷え込んでいるようにも見えますが、一時期の加熱した期間を除けば、そこまで規模が縮小しているというわけでもないようです。
2月13日現在、暗号解析WebサイトCoinSheduleのデータによると、2019年1月にICOによって資金調達された額は2億9,160万ドル(約319億円)で、2017年1月の8,201万ドルより多く、2017年5月の2億8,972万ドルと同等程度の資金がICOによって調達されています。
ICObenchのレポートによると、2018年第4四半期のICOは第3四半期より25%減少しましたが、ハードキャップを達成したICOは増加していることや、
2018年は米国発のICOが大半を占めていたのに対して、現在ではシンガポールやスイス、カナダなどの国が牽引しているとのことがわかります。
先日発表されたSECによるICOに関する新ガイドラインの発表について、奇妙なタイミングとの意見もありますが、新ガイドラインで、
「企業や個人は、資金調達や投資機会への参加のための手段として、ICOをますます検討しています」
と述べているように、今後もICO市場が継続的な成長を続けていく可能性があることから、先手を打っておきたいという考えと推測されます。