IBMが2018年の年次報告を発表|ブロックチェーンで食品の追跡を約7日から2.2秒に短縮

IBMが2018年の年次報告を発表|ブロックチェーンで食品の追跡を約7日から2.2秒に短縮

先日、IBMの2018年の年次報告が発表されました。

その中の1つに「Linked by safe food(より安全な食べ物へのリンク)」という項があり、ブロックチェーン技術を利用することで、食品の追跡を約7日から2.2秒に短縮したと述べられています。

なお、このブロックチェーン技術を活用した食品サプライチェーン追跡ネットワーク「IBM Food Trust」の一般提供は、すでに昨年10月に開始しています。

食料サプライチェーンの課題

もともと食品業界は、小売、卸売、生産、加工、流通など多岐にわたる業種が世界規模で絡み合っているため、サプライチェーンが非常に複雑になりがちです。

そのため、わたしたちの健康と密接に関係することであるにもかかわらず、各段階での記録管理には一貫性がなかったりアナログだったりするために、さまざまなエラーや詐欺、不正を招いており、また、品質に問題があった場合の追跡作業にも時間がかかっていました。

IBMは、そのような背景から「IBM Food Trust」によって、サプライチェーン全体に共有の単一元帳を作成し、ほぼリアルタイムのトレーサビリティを可能にすることで、より透明性と信頼性を高めることを可能にしています。

なお、パイロットプログラムでは、追跡にかかる時間が約7日からちょうど2.2秒に短縮されていました。

また、「IBM Food Trust」は、上に挙げたような食品の安全性についてだけではなく、深刻な廃棄物問題(現状では生産させた食品の1/3が廃棄されている)や、IoT技術およびビッグデータの利活用など、さまざまな応用が見込まれています。

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