韓国で仮想通貨詐欺の容疑者グループを逮捕|AIで犯人を特定
2019年4月4日に韓国で、約5万6千人を騙して212億ウォン(約20億7000万円)以上を奪っていた仮想通貨詐欺のグループが逮捕されたと、KOREA JOONGANG DAILYが4月8日に報道しました。
この事件は、会員制のショッピングサイトの会員を集め、年会費やプレミアム会員費を徴収するという内容で、既存の会員が新規会員の勧誘に成功した場合に、Mコインと呼ばれる仮想通貨の報酬が支払われるというものでした。
このMコインについては「非公開の仮想通貨だから、値上がりして必ず利益が出る」と言って投資家などへの販売も行われていました。
他の仮想通貨詐欺と同じように知識不足を狙った犯罪で、被害にあった多くは、仮想通貨について知識が乏しい高齢者や主婦だったようです。
また、驚くべきことに犯人グループを特定する手がかりとなったのは、AIをソウル特別公安局が活用している点です。
同局の調査チームは
「Ponzi(ポンジ)、ローン、勧誘などのキーワードを通じて、今回の出資金詐欺のパターンをAIに教える事ができました。このプログラムは、広告パターンを特定し、匿名の情報提供者からの情報を元に、問題となる企業を特定することができます。」
と語っています。
2017年の韓国は仮想通貨のICOによる詐欺がとても多かったことから、政府は仮想通貨に対して詐欺やギャンブルだと指摘し禁止をしてきましたが、最近では、ブロックチェーンの持つ可能性に注目が集まり、その規制も解除されるのではないかという声も出てきています。
今回のAIの活用による犯罪の抑制によって、韓国での仮想通貨への印象が良い方向へ向かうことで、規制緩和の動きに拍車がかかる可能性があります。