VISAが国際送金にブロックチェーン技術を利用することを発表
VISAが発表した「Visa B2B Connect」は、国際送金の時間と手数料を大幅にカットする新しいネットワークです。
現在の国際送金は、基本的にコルレス銀行と呼ばれる通貨を中継する銀行を経由して行われるため、送金に時間がかかり、かつ経由するコルレス銀行の数によっても高額の手数料がかかります。
国をまたいだ送金では、自国の送金元となる銀行口座から送金先の海外の銀行口座へ送金を行う場合、送金先となる国、更には口座が存在する銀行の地域によって、取引関係にある銀行同士が中継しながら送金を行います。
そのため、送金時に中継する銀行ごとに手数料がかかる上に、外国為替も関係するため、高額な手数料がかかっています。
また、銀行間の取引が必要なため、いくつかの銀行あるいはコルレス銀行からの送金指示などの手続きが多いほど時間がかかります。
今回VISAが発表した「Visa B2B Connect」では、送金元となる企業と受取人とで、銀行間の直接取引を可能にします。これにより、時間とコストに影響していたコルレス銀行などの仲介を排除し、リアルタイムに近い速度での国際送金が期待できます。
国際送金の仕組みを簡素化する「Visa B2B Connect」は、DLT(分散型台帳技術)である「Hyperledger Fabric(ハイパーレジャー・ファブリック)」を利用することにより、一部でブロックチェーン技術も利用されるシステムです。
「Visa B2B Connect」は、2019年末までに最大90の国および地域に拡大することを視野に入れ、30以上の国際送金におけるネットワークへと拡大させます。
約50年間に渡って利用されていた現在の国際送金のネットワークですが、今後はブロックチェーン技術や新しい仕組みにより、効率的に使いやすいシステムへの移行が期待できます。