イーサリアムのアップグレード「The Merge」、気候変動対策における期待とは

イーサリアムのアップグレード「The Merge」、気候変動対策における期待とは

イーサリアム(ETH)の大型アップグレード「The Merge(マージ)」の第一段階Bellatrixが9月6日に成功し、第二(最終)段階Parisを9月13~15日に控えています。

マージが成功するとイーサリアムのエネルギー消費量が99.95%削減できると推定されており、投資家から注目が集まっています。

現時点でのイーサリアム・ブロックチェーンには「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」が採用されています。最大のメリットとして取引記録の改ざんを極めて困難にする一方で、データ承認作業に行われるマイニングには、大量の電力消費とCO2排出が指摘され続けていました。

仮想通貨の消費電力を追跡しているサイトDIGICONOMISTによれば、9月7日だけでイーサリアムの消費電力はチリに匹敵、CO2排出量は香港に並んでいると指摘しています。

マージにはプルーフオブワークのように膨大な電力を消費せずにブロック承認作業が進む「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」が採用されます。

DIGICONOMISTの運営者Alex de Vries氏によれば、マージが成功すれば電力消費量の大幅削減だけでなく、CO2排出量が年間3000万~3500万トン削減できると予想しています。

一方、マージに反対し現行のプルーフ・オブ・ワークを支持するマイナーのフォーク(分岐)する動きも活発となっており、アップグレードが無事成功したとしてもバリデーターが少ない場合、セキュリティリスクが懸念されています。

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