バイナンスDEXがアクセス制限を計画|対象国に米国・日本も含まれる
バイナンスDEXがアクセス制限を告知
大手仮想通貨取引所バイナンスが運営する分散型取引所(以下、DEX)のWebサイト(https://www.binance.org/en/)でアクセス制限が7月1日より施されることが判明しました。
計19か国がアクセス制限の対象となっているようで、該当する地域から同Webサイトを通じてウォレットにアクセスすることができなくなるようです。
現在、該当地域からアクセスを行った際、上記に関するお知らせが表示されるようになっているようで、該当する地域には米国、日本も含まれています。
引用:Binance DEXより
DEXは、P2P技術を利用した特定の管理者・サーバーなどを必要としない仕組みを採用している取引所システムで、従来の取引所とは異なる「非中央集権的な取引所」として注目を集めています。
DEXの特徴としては、「特定のサーバーを利用しないことにより取引所ハッキングリスクが低減される」といった点がよく挙げられます。
また、「P2Pによりシステムは自律的に稼働するものの、管理者は存在している」といったものも存在します。
バイナンスは4月に独自のブロックチェーン・ネットワーク「Binance Chain」をローンチし、それに伴い同ネットワーク上で稼働するDEXの開設も発表されました。
正式に運用が開始される日程については発表がなされていませんが、ウォレットを作成する等の一部機能が現時点で利用可能となっています。
一方、DEXに関する規制については、多くの国で明確な指針が定まっておらず、規制当局の判断によるといった現状があります。
昨年11月、証券取引委員会(SEC)へ登録せずに米国で取引所を運営した疑いでDEX(取引所名称:EtherDelta)の開発者が罰金を課せられたことが明らかとなりましたが、この事例では、DEXがP2Pにより自律的に稼働するものであっても、そのシステムの運営元が存在していた場合、その運営元は未登録証券業者と見なされる可能性があることが示されています。
こうした背景から、”運営元の存在する” バイナンスのDEXは米国からのアクセスを制限するという決定に至った可能性も否めません。
先日公表されたThe Blockの調査によれば、米国は仮想通貨取引所へのアクセス数が最も多い国となっています。
米国や日本における規制の動向や各仮想通貨取引所の同国におけるサービス展開については今後も注視していく必要があります。