バイナンスのハッキング事件で流出したビットコインの一部は資金洗浄済みか|clain社がブログで調査結果を公表
そのうち4836BTCは資金洗浄が完了してしまっている可能性があると、仮想通貨の追跡調査を手がける「clain」が8月7日に公式ブログで発表しました。
引用:clainより
バイナンスのハッキング事件が発生したのは今年5月のこと。
この事件で約7000BTCが流出したとされていますが、そのうち4836BTCは仮想通貨のミキシングサービス「Chipmixer」を利用して資金洗浄が行われた可能性があるようです。
仮想通貨のミキシングサービスとは、任意の仮想通貨と他の仮想通貨を混ぜ合わせ、送金履歴といったプライバシー情報の追跡を困難とさせるサービスです。
基本的には、多数のユーザーから一度仮想通貨を収集し、再配分することによってサービスを実現しているものが多いとされています。
仮想通貨は、そのブロックチェーン上に送金履歴などの取引情報が記録され、誰でも確認することが可能です。
つまり、「どのウォレットアドレスからどのウォレットアドレスへどのくらいの数量の仮想通貨が送金されたか」が公開されているブロックチェーン上に記録されているため、ウォレットアドレス(公開鍵)を特定すれば、仮想通貨の流れが追える仕組みとなっていると言い換えることもできるでしょう。
そこで一度、多数のユーザーから仮想通貨を収集し、それらを再配分することによって、ブロックチェーン上に記録されている持ち主と実際の持ち主を異なるものとし、プライバシー情報の追跡を困難なものにしようとするのがミキシングサービスと呼ばれるものです。
仮想通貨のミキシングサービスは、「プライバシー保護」に役立つと言われている一方で、マネーロンダリングに利用される場合が多く、5月末には規制当局からの摘発により大手ミキシングサービス「BestMixer.io」が閉鎖に追い込まれています。
今回のclainの発表によれば、バイナンスのハッキング事件により流出したビットコインは、ハッキング事件が発生した翌月の6月12日には資金洗浄が開始されていると説明されており、かなり早い段階から資金洗浄が行われはじめていた可能性が指摘されています。
バイナンスのハッキング事件から3か月。
clainが発表した調査結果に注目が集まっています。