バイナンス、韓国市場に興味か|海外取引所の人気と国内取引所の苦悩にゆれる韓国の仮想通貨業界事情
現在、世界各国には多くの仮想通貨取引所が存在していますが、仮想通貨取引所はマルタやシンガポールなど、企業に対し税制面での優遇措置が設けられている国や、仮想通貨・ブロックチェーンビジネスに寛容的な国を拠点として活動する場合が多いのが現状です。
現在、こうした ”海外仮想通貨取引所” へ仮想通貨の上場を希望する韓国国内のブロックチェーンスタートアップが増加しているというトピックが韓国老舗メディア「BUSINESS KOREA」で掲載されました。
ブロックチェーンプロジェクトでは、プロジェクトで「独自の仮想通貨」を発行し、資金調達を行う場合が多くあります。
こうして発行された仮想通貨はプライベートセールやICO、IEOといった形で販売され、市場に出回ることとなります。
また、プライベートセールで発行された仮想通貨であっても、需給を安定させるためには仮想通貨取引所への上場が必要不可欠となります。
こうした現状の中、ブロックチェーンプロジェクトで発行した仮想通貨の海外取引所への上場を希望する韓国ブロックチェーンスタートアップが増加しているようです。
仮想通貨を取引所を通して流通させる場合、仮想通貨取引所の取引量はその流通に大きな影響を与えます。
韓国国内の仮想通貨取引所の多くは、世界的にみて、取引量が少ないという現状がり、韓国国内のブロックチェーンスタートアップからの人気は海外仮想通貨取引所が優勢という状況にあります。
さらに、こうした状況から、海外仮想通貨取引所の韓国市場へ参入が活発化し、韓国の国内仮想通貨取引所がますます厳しい状況に追い込まれているようです。
韓国国内仮想通貨取引所「Prixbit」は、財政難を理由に8月に閉鎖を決定しましたが、これは韓国国内の仮想通貨取引所の厳しい状況を如実に表している話題と言えるのかもしれません。
“Due to negative internal and external influences, management difficulties could not be overcome and normal operation became impossible,” wrote the founder of shuttered South Korean crypto exchange, Prixbit.https://t.co/brucpeY5ox
— CoinDesk (@coindesk) 20. srpna 2019
現在、取引量が最大といわれている仮想通貨取引所はバイナンスですが、バイナンスの研究・調査セクターを担うBinance Labsやオーストラリアに拠点を置くBW.com等の海外勢が韓国国内のブロックチェーンスタートアップに目を向けている様子も「BUSINESS KOREA」では報じられています。
今年7月に、
「バイナンスが韓国に仮想通貨取引所を設立することを計画している」
という報道が一部メディアで報じられ、バイナンスのジャオ・チャンポン氏(通称CZ氏)が、7月21日から22日にソウルで開催されたBlockchain Partners Summitに参加した際には、韓国仮想通貨市場の重要性について語られる一幕もあり、韓国への事業拡大について期待する声も上がっていました。
一方で、バイナンスの関係者はこの計画について明らかではない様子を示しているようです。
韓国の仮想通貨業界の事情は、海外勢の参入によって、さらに複雑化するかもしれません。