エアーアジア、世界初となるデジタル航空貨物ネットワークで10倍速の旅程を実証
マレーシアの低価格航空路線であるエアーアジアが16日、エアーアジアの物流部門であるテレポートで世界初となるデジタル航空貨物ネットワーク、フライトチェーン(Freightchain)を発表しました。
ブロックチェーン上で実行されるこのネットワークは、従来の時間のかかる販売やメールチャネルを経由することなく貨物を運ぶことができます。
サプライチェーンのニーズのために、貨物利用運送事業者が航空会社の所有するすべての利用可能な貨物ネットワークを発見することを、フライトチェーンは支援しています。
またフライトチェーンは、ブロックチェーンで送信および検証された入札を通じてリアルタイムでのオンデマンド予約を容易にします。
今回の発表の中でエアーアジアは、新型コロナウイルスとの世界的な戦いの中で航空貨物は重要だと述べています。人命を救う救急医療品や機器移動のグローバルサプライチェーンを維持するためには、透明性の高い入札と、リアルタイムでの緊急航空貨物容量を確認するソフトフェアが不可欠だと説明しました。
フライトチェーンの最高技術責任者であるヴィシェル・バトラ氏は、
「コロナウイルスのパンデミックによって引き起こされたグローバルサプライチェーン内が不確実性の付きまとうこの時期に、私たちは意図的にフライトチェーンを立ち上げました。
フライトチェーンのようなアジャイルソフトウェアプラットフォームは、急速に進化する環境の中で需要と供給の不均一性を結び付けるのに役立ちます。
信頼と透明性が今まで以上に必要とされています」
と話しています。
フライトチェーンによる最初の先行予約では、インドのバンガロールからモンゴルのウランバートルに医薬品の貨物の出荷が成功裏に行われました。
この旅程では、マレーシアのクアラルンプールと韓国のソウルを経由しており、ブロックチェーンとスマートコントラクトを通じて3つの異なる航空会社からのフライトがリアルタイムに確認されました。
従来の方法では、バンガロールからウランバートルへの直行便が利用できないため、運送業者は電話やメールで複数の航空会社やエージェントと乗り継ぎが可能かどうかを手動で問い合わせる必要があり、非常に退屈で時間のかかるプロセスでした。
フライトチェーンは予約プロセスを簡素化し、また、運送業者の予算内でフライトを接続かつ大幅なコスト削減を行う利用可能なルートをプログラム的に発見することによって、旅程が10倍速くなったとしています。