アメリカの農場がブロックチェーンを使った農産物の鮮度情報を提供
生鮮フルーツおよび生鮮野菜に関するニュースを発信するザ・パッカーは17日、アメリカカリフォルニア州ワトソンビルに農場を持つカリフォルニア・ジャイアント・ベリーファーム社は、取り扱うベリー類のサプライチェーンの全てのポイントでデータにアクセスできるようになったことを発表しました。
同社は世界的IT大手企業であるIBMの提供するブロックチェーンのIBMフードトラストに準拠している企業です。
ブロックチェーンの利点を活用
ブロックチェーンでは、情報の大本となるデータベースをひとつに限定せず、情報を確認するひとつひとつの端末が、データベースになることができます。
このためひとつのデータベースの情報を改ざんしても、他のデータベースと情報の差異を確認することで整合性を取ることができます。
時間とともに性能が劣化あるいは変化する食品などでは、収穫時期や運搬時の気温、湿度といった環境も性能に大きな影響を与えます。
こうした情報を一般公開することで生産者は、自信をもって自社の製品を消費者に紹介することが可能です。また消費者も安心して商品を購入することができるようになるとしています。
収穫の場所や時間をサプライチェーン全体に提供
今回の発表によると同社は、グラスビッツというブロックチェーン関連企業の開発した「グラスチェーンソフトウェア」というソフトウェアを使用しています。
グラスビッツはIBMフードトラストに参加しており、「早く、簡単に、安価に」というパートナー企業のコンプライアンス支援のためにグラスチェーンソフトウェアを開発しました。
カリフォルニア・ジャイアント・ベリーファームは同ソフトウェアを使うことで、ベリーの収穫場所や収穫時間をサプライチェーン全体の出荷に関する情報として提供します。
鮮度に重点をおいて運用
カリフォルニア・ジャイアント・ベリーファームの運用担当シニアディレクターであるトーマス・タグガルト氏は、「これによりカリフォルニア・ジャイアント・ベリーファームと当社のパートナーは、鮮度に重点をおいて運用効率に関する改善の機会を合理化、および特定できるようになります」と述べています。
また同社の最高執行責任者であるペーター・タウンゼント氏は、「カリフォルニア・ジャイアント・ベリーファームが行ったことは独特で、セグメント内で業界のリーダーシップを示し続けています。更に多くの農産物会社や小売業者が参加するのを見るのは興奮します」と話しています。