ロシア最大の銀行がステーブルコインの発行を視野に
ロシア最大の商業銀行であるSberbankが、デジタル金融資産として利用可能なステーブルコインの発行を視野にいれていることが分かりました。
ステーブルコインとは、「取引価格が変動しないことを理想とした仮想通貨」です。なぜこのタイミングで、ロシア最大の商業銀行がステーブルコインの発行を視野に入れ始めたのでしょうか。
ひとつの理由としては、「ロシア経済が、国際的な為替変動の影響を受けなくするため」ということが考えられます。
ロシアでは先日、憲法改正が行われ現職のプーチン大統領がさらに長期に渡って大統領職に就けるようになりました。国内の権力を掌握しつつあるプーチン大統領にとって、次なる目標は「海外からの干渉を無くす」ことであると考えられます。
特に、外国為替の世界では否応なく市場からの評価がレートに反映されます。資源国家であるロシアにとって、為替レートの変動は死活問題です。ステーブルコインを発行して流通させることで、為替変動の影響を排除した経済圏づくりに乗り出す可能性が高いといえます。
Sberbankはもともとロシアの国立銀行の預金部門をルーツにもっており、現在は民営化されているとはいえ、国と連携してステーブルコインの開発に取り組むことは不思議ではありません。
ロシアのステーブルコイン発行は、政治色が極めて強いものである可能性があり、今後欧米諸国からどのようなレスポンスが出てくるか注目です。