米財務省の自己管理型ウォレット規制案、取引所などの反対相次ぐ
米財務省の金融犯罪取り締まりネットワーク(FinCEN)が示した仮想通貨の自己管理型ウォレットへの規制強化案に対し、仮想通貨取引所などの反対表明が相次いでいます。
米国のベンチャーキャピタル大手「アンドリーセン・ホロウィッツ」(通称・A16z)は規制強化案に対し、1月4日に反対を表明しました。
FinCENの規制強化案の内容は自己管理型ウォレットに対し、3000ドルを超える送金に対しては身元確認や報告要件が課すこと、1万ドルを超える取引はFinCENへの報告義務が生じることなどです。
同社のゼネラル・パートナーであるキャサリン・ハウン氏はツイッターで
「十分に吟味せず、政権交代寸前に規制強化案を押し込もうとするのは問題」
と、反対の理由を説明しています。
2/ We welcome well-reasoned and well-vetted regulation in the crypto space, but trying to squeeze regulatory changes into the tail end of an administration w no process is a terrible idea
— Kathryn Haun (@katie_haun) January 5, 2021
ハウン氏は同時に、FinCENの規制強化案の提案は「恣意的で気まぐれなもの」であり、パブリックコメントの募集期間を従来どおりの60日間にすることなどを求めています。
このツイートに対し、称賛を送っているのが米国の大手仮想通貨取引所・コインベースCEOのブライアン・アームストロング氏です。
アームストロング氏はFinCENの規制強化案が可決されるような事態になれば、A16zとともに異議申し立てを求めて訴訟を行うと述べるなど、厳しく批判しています。
FinCENの規制強化案についてはこれ以前にも、仮想通貨取引所のクラーケンや決済サービス大手のスクウェアなどが反対を表明しています。
規制強化案に対してはパブリックコメントの募集期間が設けられますが、通例は60日間であるところが、この規制強化案については15日間になっており、反対表明の主な理由となっています。