イーサリアムの「ガス代」高騰の改善案「EIP1559」7月にも実装
イーサリアム(ETH)の取引手数料に当たる「ガス代」の高騰が指摘されるなか、主な開発者らが改善案【EIP1559】を実装することで合意しました。
ETHのガス代は一種のオークション方式を採用しており、高いガス代を支払うことで優先的に取引などの承認手続きが行われる仕組みになっています。
ETHは分散型金融(DeFi)がブロックチェーン上に多く開設されていることもあり、DeFiの活発化に従ってトラフィックが大幅に増大しました。
これによって承認手続きが遅くなり、早く承認作業を行ってもらうために多くのガス代が必要となりましたが、その結果、送金額と同額のガス代が必要になるなど、ガス代の高騰を招いていました。
【EIP1559】はガス代に標準料金を設定するものです。
トラフィックの状況に合わせて料金は変動しますが、標準料金の採用によってガス代の「吊り上げ」を防ぐことが目的です。
また、支払われたガス代はすべてマイナーに送られず、一部は「焼却」されることになります。
これによってETH全体の流通量が減れば、ETHそのものの価格上昇につながるとみられています。
ETHのユーザーの多くはガス代の削減につながるEIP1559に賛成でしたが、ハッシュレート1位のスパークプールをはじめ、マイナーの多くはガス代削減で手数料が減るとして反対していました。
しかし、ハッシュレート3位のF2プールのようにEIP1559に賛成するマイナーもおり、開発者サイドはこうした声を背景に実装に踏み切ったとみられています。