クリプトグリーンへの移行期
ブロックチェーンは分散型の仕組みを生み出し、昔ながらの権力構造や組織を変える可能性がありますが、ブロックチェーンに電力を供給するために、膨大なエネルギーを必要とすることが問題となっています。
高いエネルギー需要は巨大な二酸化炭素排出量につながるため、気候変動が進む世界において、最近まで低コストで高炭素のエネルギーを調達していた新しいテクノロジーを、ブロックチェーンに否定的な人たちが扱うことはあるのでしょうか。
これまではブロックチェーンが普及するにつれ、その二酸化炭素排出量は増加の一途をたどってきました。
企業が新しい採掘場を建設するために森林を破壊し、水路に害を及ぼすからです。
ニューヨーク州では、セネカ湖畔にあるビットコインの採掘場が、コンピュータの冷却に水を使い、熱水を湖に流しているとして、地元の人たちから苦情が寄せられています。
イタリア北部でも水力発電ダムの近くに採掘場が出現しており、同様の問題が発生する可能性があります。
しかし、カーボンニュートラルなブロックチェーンを作る計画を発表する企業も後を絶ちません。
ロックチェーン技術がグリーン・エネルギーの未来を阻むのではなく、むしろグリーン・エネルギー実現に向けて積極的に導こうとしています。
実際に、より低いカーボンフットプリントの仮想通貨やブロックチェーンシステムをつくることは可能であり、その例も続々と出てきています。
SolanaやTezosといったいくつかのブロックチェーンは、ビットコインやイーサリアムと同様のサービスを提供しながら、エネルギーを99%削減することができます。
また、イーサリアムのPoS移行に向けた調整用のチェーンであるビーコンチェーンは、環境への配慮からNFT市場への参入を躊躇していたクリエイターにとっても多くの関心を集めています。
ビーコンチェーンは大規模な構造改革の核として機能し、コンセンサスモデルをPoWから環境に優しいPoSに変えようとしています。