自動車大手ルノーが「インダストリアル・メタバース」を立ち上げ|二酸化炭素排出量50%削減目指す
仏に拠点を構える自動車メーカーRenault(ルノー)は、ビジネスやユーザーの生活を変革させるDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させるべく、インダストリアル(産業用)メタバースを立ち上げました。
インダストリアル・メタバースは「大規模なデータ収集・プロセスのデジタルツイン・サプライチェーンのエコシステムの接続・一連の高度な技術」の4つの側面に基づいています。
これにより2025年までに3億2000万ユーロの節約と、2億6000万ユーロの在庫削減、車両の納期を60%短縮できます。
またルノー・グループが従来から目標に掲げていた保証コストの60%削減や、車両製造による二酸化炭素排出量50%削減にも貢献できると説明しています。
ルノーは自社の現場から全産業データの収集が可能なIDM4.0(Industrial Data Management Platform 4.0)を開発しました。
このデータはGoogle Cloudプラットフォームに格納されたあと、インダストリアル・メタバースへ供給することで、生産プロセスの修正および改善をリアルタイムでおこなうことができます。
その後、物理的な資産レプリカとして、システムのライフサイクル全体を仮想的に表現するデジタル・ツインへモデル化し、各工場はサプライチェーンとともに仮想空間へ反映させ、リアルタイムでコントロールします。
この仕組みによりルノーは独自メタバースを構築し、すでに生産ラインの100%に該当する8500台の機器の接続、サプライフローの90%を常時監視し、サプライチェーン・データを100%ホストすることに成功しています。