中国ファンドが仮想通貨での融資を開始|過去5か月間に合計6,000万ドル相当のローンが発行
仮想通貨市場の中でも大きな割合を占めている中国市場ですが、中国のいくつかの仮想通貨投資会社が融資を開始するとのニュースが報じられました。
この融資を始めるのは、中国で最も取引量の多いOTC取引を運営していることで有名なBixin Capital社をはじめとする複数の投資会社で、過去5か月間に合計6,000万ドル相当のローンが発行されています。
なお、融資を希望しているのは主に中国国内での個人投資家や、ヘッジファンドトレーダー、そして仮想通貨マイナーからの希望も多いようです。
Bixin Capital社の金融市場責任者であるXi Wang氏は、
「この弱気市場では、貸し手の資産から利益を上げることは比較的安定した賭けとなるでしょう。」
と述べています。
Bixin Capital社は、投資サイドでの活動が減速した2018年11月に仮想通貨の貸付事業を開始しました。このサービスでは、ユーザーは自身の所有する仮想通貨からビットコイン、イーサリアム、EOS、ライトコイン、およびTetherUSDTを年間約7%ほどの利子率で借りることができます。
従来、銀行から融資を受ける場合は個人の信用度に基づいて行われますが、今回の融資ではこのような方法をとらずに、リスク管理は完全に担保である仮想通貨に委ねられる形で行わるため、新規参入がしやすいメリットがあります。
例えば、担保率が70〜75%の場合、顧客が担保として100ドル相当のBTCを持っていれば、USDTでおよそ70ドル相当の資金を借りることができます。もし、BTCの価格が約78ドルまで下がり、担保金利がしきい値の95%を超えるようになった場合は、借り手は金利を引き下げるために追加のBTCを追加するか、保有しているBTCを強制清算する必要があります。
また、今回の融資がマイナーにも需要がある理由については、ビットコインの価格が低迷するなか、マイニングで得たBTCを法定通貨に変えることには消極的ですが、持っている仮想通貨資産で融資を受けることによって、レバレッジをかけた取引ができるため、法定通貨でのマイナスが生じにくいという利点があるためと考えられています。
中国では人民元の流出防止を理由に、仮想通貨取引所の閉鎖やICOの禁止などが行われてきましたが、一方で、4月上旬のビットコイン価格の上昇を受けてOTC取引が活発になるなど中国国民の仮想通貨への関心は衰えていないことが伺えます。
今回の中国のファンドによる融資が、現在の弱気市場を打ち破るきっかけとなるのか注目です。