豪ブロッチェーン企業、農場から中国までの牛肉追跡試験に成功
オーストラリアの農業新聞であるファームウィークリーは5月5日、オーストラリアを拠点とする家畜追跡プラットフォームを提供しているアグライブ社が、世界的海運会社のDBシェンカーの協力を得て、オーストラリアから中国まで出荷した牛肉の追跡試験に成功したことを発表しました。
農場からスーパーマーケットまでを追跡
この追跡試験は、牛肉の行方をIoT機能とともにブロックチェーンによって追跡するもので、2020年1月下旬からスタートしました。
まずは、オーストラリアのニューサウスウェールズ州にあるマッカ農場から地元の食肉加工場へ、その後解体された肉は、冷凍されてブリズベンまで陸路で輸送、ブリズベンからは海路を使って上海に運ばれ、到着後は地元のスーパーマーケットに配送されました。
農場を出発してから消費者が購入できるようまでアグライブ社のプラットフォームは、安全な状態が保たれていることを確認しました。
アグライブ社の常務であるポール・ライアン氏は、
「新型コロナウイルスによりオーストラリアの農業と食料の関係を強化することは、これまでになく重要になりました。私たちは今、データと追跡能力の欠如によって引き起こされた食糧詐欺と関連する健康リスクが大きな問題となっている世界に住んでいます。だから私たちは、消費者の信頼を回復するために共に尽力しなければなりません」
と話しています。
「農業界の立ち直りに必要なテクノロジーがあることを知って安心」
アグライブ社は、全国出荷者電子証明書(electronic National Vendor Declaration :eNVD)アプリを使用して農場の認定と管理データを1つに統合した家畜追跡プラットフォームを提供しています。
このシステムを使用する農家やブランド所有者は、商品ごとに固有のQRコードを使用することで、サプライチェーンを移動する自身の商品を追跡することが出来ます。
マッカ農場の所有者であるマッカ氏は、
「最近の山火事によりオーストラリアの農業界は、歴史の中で最も厳しい時期を経験しています。追跡できることを知っているオーストラリア産の商品に消費者は、割増料金を喜んで支払うでしょう。農業界の立ち直りに必要なテクノロジーがあることを知って、私たちは安心しています」
と話しています。
アグライブは現在、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、ウルグアイ、EUを含む主要な畜産地域にサービス提供するよう取り組んでおり、6か月間の無料トライアルも提供しています。