ブロックチェーン関連の農業系スタートアップ企業がインド政府と提携
インドの経済や市場などのビジネス情報を提供するビジネススタンダードは12日、AIとブロックチェーンによって農産物のオンライン市場を展開するスタートアップ企業アグリ10x(Agri10x)が、小規模農家が農産物を市場で直接販売することを支援するために、インド政府とパートナーシップを結んだことを発表しました。
ブロックチェーンベースの分散化市場による直接販売
従来の市場では、厳正な取引が行われているかどうかの役割を仲介者が担っています。
しかし、仲介者が存在することで取引価格の一部が手数料として仲介者の取り分となり、農家の利益が少なくなってしまうという課題があります。さらに、複数の仲介者が存在すれば、それだけ多くの手数料が搾取されます。
ブロックチェーンは特定の管理者を立てず、機械的に多くのバイヤーとの取引を成立させることができるため、プラットフォームを維持するために手数料は必要ですが、それでも仲介者を立てた取引よりも低コスト、かつ、生産者の納得する価格で取引することが可能です。
これにより農家の所得、および農業産業での雇用の増加が期待されています。
インド政府管理の共通サービスセンターへの独占的なアクセスが可能に
インド政府が管理する共通サービスセンター(Common Service Centres:CSC)とは、インターネットなどが普及していない遠隔地でも公共事業や社会福祉などのサービスを提供するためのアクセスポイントで、インドの国家電子政策計画(National eGovernance Plan)のひとつとして2006年に承認され、2009年に設立しました。農業サービスもこのCSCの提供するサービスのひとつです。
アグリ10xはインド政府と提携し共通サービスセンターへ独占的にアクセスすることが可能となったことで、「生産者がアグリ10xプラットフォームに登録し、農産物を直接販売することを村レベルの起業家(village-level entrepreneurs:VLEs)が支援するようになるだろう」と述べています。
インドの農民はインド経済の陰の英雄
アグリ10xのCEOであるパンカジ・ゴード氏は、「インドの農民はインド経済の陰の英雄であり、仲介者なしで彼が生産物を直接販売するためのグローバルな市場にアクセスできるようにしたかったのです。私たちの目的は地元の農家とグローバルなバイヤーを結び付けること。農民の所得水準が上昇するだけではなく、農産業での雇用を大幅に増加させるでしょう」と話しています。