EUの送電系統運用会社が共同でブロックチェーンベースのプラットフォームを設立
エクイジー社は4月22日、スイスのスイスグリッド社(Swissgrid)、オランダのテネット社(TenneT)、イタリアのテルナ社(Terna)というそれぞれの国を代表する送電システムオペレーター(TSO:Transmission System Operators)3社が協力し、新しいブロックチェーンベースのプラットフォームを提供するエクイジー社(Equigy)を立ち上げたことを公式サイトで発表しました。
デンマークの送電大手エナジーネット(Energinet)もエクイジーへの参加を表明しており、今後はオランダ、ドイツ、イタリア、スイス、デンマークのヨーロッパ5カ国で展開していくことになります。
目的は再生可能エネルギーの統合強化、改善、緩和
エクイジー社は、再生可能エネルギーの需要が高まるにつれ、送電システムオペレーターは火力発電などの従来の発電方法による割合を減らしており、エネルギー供給側と需要側が急速に変化していると述べています。
水力や風力、地熱、太陽光といった再生可能エネルギーの統合強化と改善し、従来の発電システムや再生可能エネルギーシステムなど複数の発電システム間とのバランスを柔軟に提供することを目的に掲げています。
多くの国では化石燃料に依存
エクイジー社の創始者兼プログラムディレクターであるルネ・ケルメスター氏は、
「ヨーロッパのエネルギー転換は、グリッドを通じてより強く再生可能エネルギーを推進することを目的としています。
しかし、天候依存の電力は変動しやすく、大量の電力を蓄えることも出来ません。そのため多くの国では未だに、再生可能エネルギーを使えない時に化石燃料に頼ってグリッドのバランスを計っています。このような状況は地球環境にとって悪影響である上にコストもかさみます。
この課題に対してエクイジーは、持続可能で費用対効果の高いソリューションを提供します」
と話しています。
より多くの送電オペレーターや消費者が接続するよう設計
今回立ち上げられたプラットフォームは、より多くの市民が日常生活の中で再生可能エネルギーを選ぶことができたり、ヨーロッパにある他の送電システムオペレーターが参加したりすることで更に成長するよう計画されています。
また、アグリゲーターや地域のグリッドオペレーター、電力会社、自動車産業、テクノロジー企業などの複数のステークホルダーとも密に連携しています。