ノルウェーの大規模サケ養殖業者がIBMフードトラストに参加
IBMは6月4日、ノルウェーの大規模サケ養殖業者であるクバァロイ・アークティック(Kvarøy Arctic)が、コンピュータ関連の製品やサービスを提供するIBMが開発したブロックチェーンのIBMフードトラストに参加したことを公式サイトで発表しました。
信頼性と透明性の確保が目的
ブロックチェーンでは、複数のデータベースで情報の管理・共有を可能としています。
そのため誰でもブロックチェーンにアクセスし、情報を自分のPCやスマートフォンといった端末にダウンロードすることが可能です。
このような仕組みから情報が改ざんされたとしても、他のデータベースと比較することで正しい情報を判断することが出来、これがブロックチェーンが高い信頼性と透明性を維持していると言われる根拠となっています。
この信頼性と透明性は、時間あるいは輸送中の環境によって性能が変化しやすい商品にとって大きな利点になると考えられています。
その代表格が食料品です。
食料品をブロックチェーンで管理することにより、生産地や収穫からの時間、輸送方法といった情報を消費者が手軽に確認することが可能となります。
このような利点から、IBMトラストフードには世界的なスーパーマーケットチェーンであるウォルマート(Wallmart)、フルーツや野菜を中心とした多国籍の農業・食料品企業であるドール(Dole)、コーヒーやチョコレートなどの食料品を取り扱うネスレ(Nestlé)などが参加しています。
QRコードで北極サケの産地や飼料の履歴を確認可能
クバァロイ・アークティックは、高級志向のスーパーマーケットチェーン店であるホールフードマーケット(Whole Foods Market)の、アメリカやカナダの店舗を含む企業のバイヤーやレストランに対し、北極サケの産地や与えられた飼料の履歴をQRコードで確認できるようにします。
また同社は、将来的に魚介類の質と持続可能性に対する洞察を提供するための消費者向けアプリも導入する予定です。
シーフード業界での詐欺が終わる日
クバァロイ・アークティックのCEOであるアルフ・ゴーラン・クヌーセン(Alf Gøran Knutsen)氏は、
「ブロックチェーンによりシーフード業界での詐欺が終わる日が来ます。透明性が保たれることで私たちの献身が示されます。(中略)ブロックチェーンテクノロジーは、世界中のより多くの人々に食料を与えるために、食料廃棄物減少に役立つ情報を詳細に追跡します」
と述べています。