インターネット・オブ・サービス・トークン(IOST)の特徴とは|仮想通貨の問題点を克服

インターネット・オブ・サービス・トークン(IOST)の特徴とは|仮想通貨の問題点を克服

ビットコイン(BTC)をはじめとする仮想通貨は、必ずしも完璧なものではありません。むしろ、現状ではさまざまな問題点が露呈していると言っていいでしょう。

決済や送金に時間がかかること、分散型アプリケーション(DApps)の開発難易度などが欠点として挙げられます。そうした問題点を解決しようとしているのが、今回紹介するIOSTです。

仮想通貨の問題点

BTCやイーサリアム(ETH)など、現在主流となっている仮想通貨には、さまざまな問題点が指摘されており、現在でも解決に向けて開発が進められています。

BTCの場合、まず問題点として挙げられるのが、取引の承認速度が必ずしも速くないことです。承認速度アップにはマシンパワーが必要で、電力消費量が増えるという新たな問題が生じます。

取引の承認についてはETHについても事情は似ています。こちらは分散型金融(DeFi)の活発化によって承認すべき案件が増え、手数料の高騰を招いています。

また、ETHのもうひとつの問題点として、Dappsの開発環境が挙げられます。開発言語が特殊なため、開発者になるために敷居が高めになっています。

こうしたさまざまな問題点を解決するために開発されたのが、今回紹介するインターネット・オブ・サービス・トークン(IOST)です。

IOSTの特徴

通貨名 インターネット・オブ・サービス・トークン(IOST)
通貨単位 IOST
公開日 2018年1月
総発行枚数 210億IOST
公式サイト https://iost.io/
ホワイトペーパー https://whitepaper.io/document/28/iostoken-whitepaper
facebook https://www.facebook.com/IOSTOfficial/
twitter https://twitter.com/chainlink
Telegram https://t.me/officialios
reddit https://www.reddit.com/r/IOStoken/

IOSTには、以下のような特徴があります。取引の承認速度、Dappsの開発難易度など、さまざまな問題の解決に向けたアプローチが示されています。

  • シャーディングで取引速度をアップ
  • コンセンサスアルゴリズムにPoBを採用
  • ジャバスクリプトでDappsを開発できる

 

シャーディングで承認速度をアップ

BTCやETHの承認速度の問題のひとつは、承認のための処理をメインチェーンで行っていることから生じています。1つのマシンで処理しなければならないため、未承認の案件が生じやすいのです。

マシンパワーを上げることである程度解決できますが、高性能のマシンは電力消費量が多く、現状では環境問題につながるとの指摘がされています。

一方、IOSTでは電力消費量を抑えるために「シャーディング」という1つの案件を複数のマシンで承認できる技術を用いています。

シャーディングでは承認をメインチェーンではなく、サイドチェーンで行います。このサイドチェーンを複数に分けて、複数のマシンで処理できるようにしています。

こうすることで、承認のための処理を複数のマシンで行うことが可能になり、電力消費量の増加を抑えて処理速度のアップを図っています。

コンセンサスアルゴリズムにPoBを採用

現在、BTCとETHは承認アルゴリズムにプルーフ・オブ・ワーク(PoW)を採用しています。これは、承認件数が多い人ほど、多い報酬がもらえるというものです。

つまり、承認者のマシンパワーが高ければ高いほど報酬は増えますが、マシンパワーの競争につながり、結果として参入障壁となっています。

こうした問題点を解決するために、ETHはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)というアルゴリズムへの移行を予定しています。これは仮想通貨の所持量の多さや所持している期間の長さによって報酬が決まります。

ただし、PoSにも欠点はあります。

報酬を増やすために多くの仮想通貨を長期にわたって所有する人が増えれば、流動性の低下という事態を招きかねません。

IOSTはプルーフ・オブ・ビリーバビリティー(PoB)というアルゴリズムを採用しています。これはIOSTの保有量だけでなく、貢献度や評価なども承認者の優先度に関係します。

PoBはPoWのようなマシンパワー競争を防ぐことができ、PoSのように仮想通貨の保有量や期間だけで評価されないので、流動性の低下という問題にも対処できるという考え方です。

ジャバスクリプトでDappsを開発できる

ETHのブロックチェーン上に開設されているDeFiは、すべてDAppsとして開発されています。ただし、ETHのDappsの開発はやや敷居が高いという問題点を抱えています。

ETHのDAppsは、ソリディティーという独自言語で開発されていますが、この言語を使用するための学習が新たに必要となることから、開発の敷居が高くなっています。

しかし、IOSTはこうした問題にも対処しています。

Dappsの開発言語に、ウェブブラウザなどに採用されている比較的古い開発言語・ジャバスクリプトを採用しています。

ジャバスクリプトならば既に学習している人も多く、新しい開発言語を覚える必要がなくなるため、開発障壁を低く維持することができます。

IOSTの将来性

IOSTはコインチェックに上場されており、購入そのものは難しくありません。それだけに、将来性については気になるところでしょう。

IOSTの将来の鍵を握っているのは、DeFiです。DeFi開設に必要なDappsの開発環境を、ジャバスクリプトで提供できるというアドバンテージを生かそうというわけです。

既にIOSTのブロックチェーン上には、中国系のシーグア・ファイナンスなどのDeFiが開設されています。ただ、ETH系やバイナンスコイン(BNB)系と比較すると規模は大きくありません。

IOSTはさまざまな仮想通貨の問題点にアプローチしているだけに、こうしたDeFiが今後、どのように成長していくかが、将来性につながっていくと言っていいでしょう。

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